中国風干し豚バラ肉

Categories 香港味探検
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 こちらは、『読売新聞香港衛星版』に掲載した方の文章です。より詳しい作り方を以前このブログで紹介しましたので、合わせてお読みください。

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 我が家は香港の郊外・新界(ニューテリトリー)にあり、村屋(ビレッジハウス)と呼ばれる一軒家に住んでいます。1、2階が大家さん、3階と屋上がうちの住居で、玄関を共用しているので、毎日、大家さんの庭を通って家に入ります。

 先日、その庭先に、洗濯物と並んで、白い袋をかぶった何かが六つ、物干しざおにぶら下がり風に揺れていました。よく見ると、大家さんお手製の臘肉(ラーッヨッ)です。

 臘肉というのは干した豚バラ肉のことで、臘腸(腸詰め)や臘鴨(干し鴨)などと共に「臘味」と呼ばれる香港の代表的な冬の食べ物のひとつです。臘の字がつくのは、1年の中で最も寒い臘月(旧暦の十二月)に作られる食品だから。

 それで思い出しました。確か去年の今頃も同じ光景を見たはず。その時私も臘肉を作ってみたいと思ったのですが、春節(旧正月)が目前に迫っていて泣く泣くあきらめたのでした。しかし今年はまだ少し時間があります。さっそく臘肉作りに挑戦してみることにしました。

 臘肉の作り方はとても簡単で、豚バラ肉をタレに漬けて味を染み込ませ、約1週間天日で乾かすだけ。と、口で言うのは簡単ですが、雨が降らないかどうか天気予報を朝晩チェックしたり、太陽の位置に合わせて干す場所を変えたり、と、臘肉に振り回された1週間となりました。

 しかしその甲斐あって、干し上がった臘肉は市販品と比べても何ら遜色のないできばえ。昨年から手作りを始めた大家さんが「もう市販品は買わない」と言っていたのも納得です。好み通りの味や固さにできるし、防腐剤など添加物の心配もありません。

 作る手順はレシピに書いた通りですが、若干補足します。

 肉は、肉屋さんに「臘肉を作る」と言うと、ちょうどよい厚さに切り、糸を通す穴も開けてくれます。

 ウォッカ(アルコール度数40度)は、果実酒用に買っておいたもので、消毒の意味で使いました。今回は一切火を使わないので衛生管理が不安だったからですが、この行程は省略しても構いません。大家さんは「水道水ではなく、湯冷ましの水で洗う」ことで減菌対策を行ったそうです。

 肉を干す時に大家さんが使っていた白い袋は、本来は、煮込みスープを作る時に、細かい漢方薬材や煮崩れやすい魚を入れる木綿の袋で、市販されています。ホコリや虫除けのためにかぶせます。

 この一週間の間、気温が25度まで上がった日もありましたが、大家さんが言うには、こういうカラリと晴れて洗濯物がよく乾く日こそ「臘肉日和」なのだそう。ただし、干す場所の温度や湿度、肉の鮮度によっても状況は変わってきます。こまめに肉の様子を見て、少しでも傷んだにおいがしたら、残念ながらアウト。そのあたりの判断は自己責任でお願いします。

 日光に当たって乾燥が進んだ肉は、表面にうっすらと油が浮き艶がでて、脂身は透明になってきます。赤身肉の部分が固く締まったらできあがり。肉がカチカチになってもおいしくないので、干す目安は5日から1週間というところでしょうか。

 紙面が残り少なくなりました。天日ではなくオーブンで乾かす方法や、臘肉を使った料理のレシピは、次回ご紹介することにしましょう(2013.2.9掲載)。

<臘肉 中国風干し豚バラ肉>

材料(5〜6本分): 

皮付き豚バラ肉(かたまりを約1.5センチ厚さに切ったもの) 1500g
ウォッカ 50cc
A粗塩 大さじ2
 きび砂糖 大さじ4
 黒砂糖 大さじ1
 五香粉 大1
 ハマナス酒(玫瑰露酒/ムイグヮイロウジャウ) 60cc
 しょうゆ 100cc
 色づけしょうゆ(老抽/ロウチャウ) 50cc

作り方:

1.水洗いして水気をよく拭き取った豚バラ肉に、ウォッカをまんべんなくかける。
2.水気を切った肉に、Aを順番にもみ込む。
3.密封できる袋に入れ、空気を抜いて口を締め、冷蔵庫で丸1日おく(途中ビニール袋をもんで、調味料が全体に行き渡るようにする)。
4.肉の汁気を軽く切ったら、タコ糸を通し、木綿袋をかぶせて、日がよく当たり風通しのよい場所に吊るし、約1週間ほど干す(夜間は取り込む)。肉が固く締まったらできあがり。

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