ジャガイモのピリ辛お酢炒め

Categories 香港味探検
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 よく行くショッピングセンターの中のフードコートに、精進料理の店があります。食事時になるといつも長蛇の列なので、ずっと気になっていました。近所に大学があり、若い人の多いフードコートです。牛丼やギョーザの店もあるのに、なぜこんなに大勢の人が精進料理を選ぶのだろう?と、私も列に並んでみることにしました。

 注文は簡単で、目の前に並んだ料理10種類の中から3品選び、ごはんとスープがついて35香港ドル(約500円)というもの。この店は卵料理もあります。私が選んだのは青菜炒めとトマトと卵炒め、そして、何やら白っぽい野菜のせん切り炒め。並んでいる人のほとんどが、これを選んでいたからです。

 料理を受け取り、さっそく味見。おや、おや、おや…予想以上においしい。安い精進料理にありがちな、油や砂糖たっぷりのくどい味や、コク不足のぼんやりした味ではありません。特においしかったのが、人気の白いせん切り野菜で、タケノコかと思ったら、ジャガイモでした。酸っぱ辛い味つけで炒めてあり、パンチが効いていて、ごはんによく合う味です。

 食べて思い出しました。これは以前、香港の北京料理レストランで食べたことのある「酸辣土豆絲」。大きなトレイにどーんと山盛りになっていたので、見た目では気づきませんでした。

 口に入れた瞬間、奥からふわりと花椒(ファージウ/中国山椒)の香りが広がります。フードコートの料理に繊細な味つけを全く期待していなかったので、これは意外でした。

 花椒は四川料理によく使われるスパイスで、独特の香気と、しびれる強烈な辛さが特徴です。最近は香港でも本格的な四川料理が好まれるようになり、花椒の刺激を楽しむ料理が増えましたが、このように、ほんのりと香りだけを生かすような使い方に感心し、この店の人気の秘密がわかったような気がしました。

 ただ残念だったのは、ジャガイモの太さがバラバラで、食感や調味料のなじみ具合にムラがあったこと。シンプルな料理ほどこういう雑さが味に影響するなあ、とこちらは反面教師になりました。

 その辺りを踏まえて作ってみたのが、今回の料理です。本当は3ミリ角程度に切り、お惣菜らしいボリュームを出したかったのですが、不器用な私はスライサーを使っため、細く上品な、やや気どった仕上がりになりました。

 ジャガイモを水にさらし表面のでんぷん質を除いてから炒めるので、シャキシャキとした歯触りになるのがこの料理の特徴ですが、少しくったりと柔らかくなるまで炒めても、それはそれでおいしいので、そのあたりはお好みでどうぞ。さっぱりした酸味と、トウガラシの辛さ、そして花椒やゴマ油の香り。ただのジャガイモ炒めと侮れない味わい深いひと皿です。

 味つけに使ったチキンパウダー(鶏粉/ガイファン)は、淡白な野菜のうまみをグンと引き出す力があるので、精進料理にこだわらない方は試してみるといいと思います(2014.4.26掲載)。

<酸辣土豆絲 ジャガイモのピリ辛お酢炒め>

材料(4人分):

ジャガイモ 大3個(500g)
サラダ油 大さじ1
花椒 小さじ1
ゴマ油 小さじ1
赤トウガラシ(小口切り) 1本
塩 小さじ1/2
チキンパウダー 小さじ1
しょうゆ 小さじ1/2
長ネギの青い部分(せん切り) 少々
酢 大さじ3

作り方:

1.ジャガイモをせん切りにし、たっぷりの水にさらす(水が透明になるまで、2、3回水を取り替える)。ザルにあけて、水気を切っておく。
2.中華鍋に冷たいサラダ油と花椒を入れて点火し(弱火)、いい香りがしてきたら、花椒を取り出す。
3.鍋にゴマ油を足し、火を強めて赤トウガラシを炒め、次いで、ジャガイモを炒める。
4.全体に油が回ったら、塩、チキンパウダー、しょうゆを加えさらに炒め、好みの固さになったら長ネギを入れ、酢をかけ回し、水分を飛ばすようにしながら手早く炒め、火から下ろして、皿に盛りつけ、できあがり。

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