黒砂糖のわらび餅風

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 お正月が過ぎたと思ったら、今度は旧正月。年に2回もおめでたい日を迎えられるなんて得した気分だわ、と毎年思う私です。

 さて、旧正月に欠かせない食べものといえば年糕(ニンゴウ)。「年年高升(ニンニンゴウシン)=年々上昇する」という言葉にかけた縁起もので、旧正月前は店頭にさまざまな年糕が並びます。年糕は米粉が原料のお餅の一種ですが、日本のお餅とは別もので、どちらかといえば「ういろう」に近い感じ、と年糕を食べたことのない日本の人には説明します。

 競争が激しいので、年糕メーカーは新製品の開発に余念がありません。伝統的な「椰汁年糕(ココナッツ餅)」や「蘿蔔糕(ダイコン餅)」の他に、変わり種の年糕が毎年登場するのをチェックするのも楽しみです。

 今年見つけたのは、日本の黒砂糖を使った「黒糖年糕」。ますます「ういろう」に近づいてきました。

 ここ数年、香港で黒糖味の商品をよく見かけるようになった気がします。ローカルのスーパーでも地元メーカーの黒砂糖を買えるようになりました。しかもそれが日本産。

 香港で暮らし始めて戸惑ったことのひとつは、砂糖の種類が日本と異なることでした。日本では当たり前の白砂糖、いわゆる上白糖は香港では使わず、全てグラニュー糖です。氷砂糖も、香港では黄色い黄冰糖(ウォンビントン)が一般的。そして、初めて見たときびっくりしたのが、茶色い板状の片糖(ピントン)で、これは日本にはありません。

 そんな香港の砂糖界に日本の黒砂糖が進出したのは、ちょっとしたニュースです。実は2、3年前から、海外に販路を拡大したい日本の砂糖メーカーと、日本ブランドで売り上げをさらに伸ばしたい香港企業の思いが合致して、大量の黒砂糖が香港へ輸出され始めたのだそう。確かに、ミネラル豊富な黒砂糖は、健康志向の強い香港人に受けそうです。

 とはいえ、黒糖味の商品は増えつつも、一般家庭への浸透はこれから、という印象はいなめません。香港の黒糖料理について調べてみましたが、蒸しパンやクッキーのように日本の黒砂糖レシピを手本にしたものがほとんどです。一方、香港には紅糖(ホントン)という色の濃い砂糖を使った料理が数多くあるので、黒砂糖はそこへ食い込んで行くことになるのでしょうか。

 香港で手に入る材料を使って、黒砂糖のおいしさがよくわかるひと品にしてみました。

 黒糖のシロップを馬蹄粉(マータイファン)というクワイから採ったでんぷんで固め、わらび餅のように仕上げた「黒糖涼糕」です。黒砂糖のみだと、その特徴であるえぐみが甘さよりも前面に出てしまうので、糖蜜の甘い香りと味がする片糖をブレンドしました。

 香港における黒砂糖はまだ発展途上段階ですが、砂糖の使い分けには慣れている香港人ですから、黒砂糖のおいしさが広く知られるようになれば、もっと黒糖料理の種類は増えるでしょう。香港ならではのレシピを見つけたら、またここで紹介したいと思います(2014.2.15掲載)。

<黒糖涼糕 黒砂糖のわらび餅風>

材料(2〜3人分):

黒砂糖 40g
片糖 30g
水 100cc+100cc+100cc
馬蹄粉 40g
きな粉 好みの量

作り方:

1.小鍋に、黒砂糖と片糖、水100ccを入れ弱火にかける。
2.砂糖が完全に煮溶けたら火を止め、水100ccを足す(あら熱をとるため)。
3.馬蹄粉に水100ccを入れてよく混ぜ、ザルで濾しながら、2の小鍋に加える。
4.小鍋を中火にかけ、混ぜているうちに半透明になってきたら、弱火にして、さらに2〜3分、完全に火が通るまで、しっかりと練る。
5.ぽってりとした糊状になったら火から下し、水で濡らした器に入れて、冷ます(冷蔵庫に入れると風味が落ちるので、涼しい室温に置くか、器を氷水が入った容器に浸すとよい)。
6.冷えて固まったら器から取り出し、一口大に切ってきな粉をまぶし、皿に盛りつけ、できあがり。

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