ガイランのエビペースト炒め

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 先日、あるレストランで食事をしたとき、私たちのテーブルに大きな土鍋が運ばれてきました。給仕の人がふたを取った瞬間、ジュウジュウと油がはじける音と共に、香ばしい香りが、ふわーっとあたり一面に。思わず歓声が上がりました。青菜炒めが、土鍋に入って出てきたのです。食欲をそそる演出に感心しました。

 料理名は「蝦醤芥蘭煲」。確かに土鍋料理を指す「煲」ではありますが、煮込み料理ではありません。野菜の量に対して土鍋が大きく、内側が油で黒光りしていて、明らかに、土鍋をフライパン代わりにして野菜を炒めた様子。土鍋をこんなふうに使ってもいいのですね。

 中国野菜は火を通してもシャッキリしているものが多く、特にこの芥蘭(ガイラーン/ガイラン)は、主に太い茎の部分を調理するので、炒めても水っぽくなりません。

 ガイランは英語名をCHINESE KALEと言い、キャベツの原種で、ブロッコリーやカリフラワーとは親戚の間柄です。肉厚な葉がついた青菜ですが、ほろ苦さの中に、ほんのりとした甘みのある茎の部分が好まれているので、 葉の部分はばっさり切り落として調理することも少なくありません。葉を落とすと、かさが激減し、重量は半分になってしまいます。

 ガイランは、ゆでてオイスターソースを添えたり、にんにくと一緒に炒めて食べてもおいしいのですが、蝦醤(ハージョン/エビペースト)炒めも有名です。ガイランの力強さが、くせのある蝦醤に負けないからでしょうか。

 蝦醤は、すりつぶしたオキアミに塩を混ぜ、天日に当てて乾かし、さらに発酵させた中華調味料で、よく似たものが、タイやインドネシアでも用いられています。

 アンチョビやくさや系の独特な発酵臭がありますが、火を通すと香ばしさが加わり、香港人なら嬉しそうに鼻をヒクヒクさせること間違いなしです。日本人には少々ハードルが高い調味料なので、XO醤風にアレンジした蝦醤などで慣れながら、使い方を考えてみてはいかがでしょうか。ほんの少量でエスニックな風味になり、料理の幅が広がります。

 香港の土鍋は、日本の土鍋と同様、初めて使う場合は、まずお粥を煮て、ひび割れを防ぎます。調理するときは、最初は弱火にかけ、徐々に強火へ。急激な温度変化は厳禁です。割れるのではないか、とおっかなびっくり炒めてみましたが、大丈夫でした。土鍋なのでじっくり火が通り、野菜から水分もでてきますが、しばらくするとどんどん蒸発していって、最後はカラッと仕上がります。また、そのくらい時間をかけて加熱しても、全然へこたれないのがガイランのいいところ。

 蝦醤が醸し出す複雑な香りとうま味で、私はこれだけで白いご飯がおいしく食べられますが、それでは物足りないという方は、薄切りの牛肉か豚トロ肉(猪頸肉/ジューゲンヨッ)を一緒に炒めると、ボリュームのある主菜になります。(2011.6.4掲載)

 

<蝦醤芥蘭煲 ガイランのエビペースト炒め>

材料(4人分):

ガイラン(葉がついたままのもの) 600g
しょうが(みじん切り) 小さじ1
にんにく(みじん切り) 1粒分
シャロット(小口切り) 2個
蝦醤 小さじ1と1/2
砂糖 小さじ1/3
酒 大さじ1

作り方:

1.ガイランは、水洗いした後、葉と根元の固い部分、花のつぼみを切り落としてから、斜めに切って二等分する。
2.土鍋を弱火にかけ、熱くなったら油を入れて、しょうが、にんにく、シャロットを軽く炒めたら、蝦醤と砂糖を加えて、さらに炒める。
3.香ばしい香りがしてきたらガイランを加え、強火にして炒める。蝦醤が全体になじんだところで酒を加え、水分を飛ばすようにしながら、よく炒める。
4.水分がほぼなくなったところでふたをし、火から下ろして食卓へ。

 

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