シイタケとニガウリのエビすり身詰め

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 料理名に使われる特有の単語で、これを知っていると料理を選ぶときに便利、という言葉があります。

 たとえば「百花(バッファー)」。

 知らなければ何のことだか見当もつきませんが、これは「エビのすり身」のこと。たいていは「醸(ヨン)」という字とセットになっていて、メニューに「百花醸」とあったら、それは間違いなく「エビのすり身を詰めた」料理を意味します。 エビのすり身には「蝦膠(ハーガーウ)」という呼び名があるのですが、おからを卯の花と言い換えるように、美しい字面の方が食欲をそそるからでしょうか。

 一説によると、本来はエビのすり身にカニ肉を混ぜたものを「百花」と言い、白色の中に混ざった赤い色が、色とりどりの花の中でもひときわ映える赤い花を連想させるから命名された、のだそうです。やがて高価なカニ肉は省かれるようになりましたが、エビの薄いピンク色も可憐な花を思わせて、決して名前負けしていません。

 もうひとつ、このすり身が「百搭(何にでも合う、という意味の広東語)」で、見た目が「白と赤が混ざった花のよう」だから「百花」と呼ぶ、という説もあります。

 街市(市場)の鮮魚売り場に行くと、魚屋が自製したエビのすり身が売られています。野菜や豆腐に詰めたり、鍋やスープの具にしたり、煮ても焼いても揚げてもよく、 日本でもおなじみのカニ爪フライは「百花醸蟹鉗」で、代表的な広東式の宴会料理のひとつ。エビのすり身が「百搭」と言われるのも納得の人気ぶりです。

 市販品が簡単に手に入る香港ですが、今回は生のエビから作る方法を紹介しましょう。

 まず、生のエビのむき身(蝦仁/ハーヤン)を用意します。背ワタを取り除いたらきれいに洗い、ふきんやタオルに並べてきつく包み、しっかりと水気を吸い取ります。水分が残っていると歯応えが悪くなります。それから中華包丁の腹を使ってエビを叩きつぶし、さらに刃でトントンと叩いて細かくします。叩いたえびをボウルに入れ、塩を加えてよく混ぜるのですが、この時、右でも左でもいいので、どちらか一方向に向かってよく混ぜると粘りが出て、弾力のある仕上がりになります。それから他の調味料と豚の脂身を加えさらに混ぜて、エビのすり身のできあがり。豚の脂身は、コクを出し、舌触りを滑らかにする効果があるので、ぜひ加えてください。

 今回はシイタケとニガウリ(香港人は「苦」の字を嫌い、「涼瓜」と表記することが多い)にのせて蒸しました。味のアクセントに塩気の強い金華ハムのみじん切りを少々。エビのピンク色が美しく、一見おもてなし風の料理ですが、調理はいたって簡単で、市販のすり身を使えば、もっと簡単。食卓を手軽に華やかにしてくれる便利な食材です。(2012.4.28掲載)  

<百花醸冬菇、百花醸涼瓜 シイタケとニガウリのエビすり身詰め>

材料(4人分):

むきエビ 250g
塩 小さじ1/2
豚の脂身(みじん切り) 25g
A卵の白身 1/2個分
 かたくり粉 大さじ1
 白こしょう 少々
 ごま油 少々
シイタケ 7〜8枚
ニガウリ 1本(約300g)
かたくり粉 適量
金華ハム(みじん切り) 大さじ1
B塩 小さじ1/4

 砂糖  小さじ1/3
 市販のチキンスープストック 150cc
 水溶きかたくり粉 少々
 ごま油 少々

作り方:

1.洗ったエビを叩き、塩を加え、粘りが出るまでよく混ぜる(本文参照)。
2.豚の脂身、Aを加えさらに混ぜ、冷蔵庫で1〜2時間冷やす。
3.シイタケは石づきを切り落とし、ニガウリは1.5センチ厚さに切って、わたと種を取り除く。
4.シイタケの内側とニガウリの穴の部分にかたくり粉をはたき、エビのすり身を詰め、金華ハムを散らす。
5.皿に乗せ、蒸気の上がった蒸し器で7〜8分蒸す。
6.小鍋にBを煮立て、あんを作る。
7.蒸し上がったシイタケとニガウリの上に6のあんをかけて、できあがり。

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