ターツァイとタケノコの炒めもの

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 街市(市場)の野菜売り場を歩いていたら、あちらこちらの店先に青々としたターツァイが山積みになっていたので、何とも言えない懐かしさを感じました。今でこそ日本でもいろいろな中国野菜が手に入るようになりましたが、私が子供の頃、中国野菜といえば圧倒的にチンゲンサイで、その次がターツァイでした。緑の葉がびっしりと円盤状に広がるターツァイを見てその不思議な形に驚いたこと、ターツァイを炒めながら、母親が「中国野菜は火を通しても緑色が鮮やかなままだし、歯ざわりがいい」と感心していたことを覚えています。ずいぶん昔の話ですが、今もターツァイは日本でよく食べられているのではないでしょうか。

 では、香港はどうでしょう。

 チンゲンサイが一年中出回っているのに対し、ターツァイ(塔菜/ターッチョイ)はあまり見かけないように思います。ターツァイは冬の野菜で、寒さが増すほどおいしくなるといわれているので、旬の時期が短いからかもしれません。中国各地で作られていますが、特に江蘇省で盛んに栽培されていることから、香港ではターツァイは上海の野菜というイメージが強いようです。

 ターツァイは、他の青菜同様、みじん切りのニンニクと一緒に油炒めにすると美味ですが、今回はタケノコと一緒に炒めたひと品を紹介します。本来は上海料理で、香港の上海料理レストランでも食べることができます。

 タケノコは中国語で冬筍(ドンソン)と言います。主に孟宗竹(もうそうちく)で、日本と異なり、秋に地中で生育し始め、冬に収穫するので、この名がつきました。

 ターツァイ同様、タケノコもこれからが新物の出回る季節です。香港の街市の野菜売り場にも、全長15センチ程度の小ぶりなタケノコが並び始めました。店の人に「青菜と一緒に炒める。4人分で」と言うと、その場で皮をむき、ナイフできれいに形成して、可食部分だけを渡してくれました。15センチのタケノコは小さなサトイモ大になり、4人分3個で30香港ドル(約300円)とは、結構なお値段です。

 タケノコは皮付きのまま米ぬかと一緒にゆでてアク抜きするのが日本の常識なので、店の人に尋ねてみると、「このタケノコは小さいし、薄切りにして炒めて食べるのだから、熱湯で軽くゆがくだけで大丈夫」とのこと。少々不安になりましたが、すでに皮も無いことですし、家に帰って、言われた通りにしてみました。

 さっとゆでた薄切りのタケノコを味見すると、思った以上に柔らかく、えぐみもあまり感じません。さらに多めの油でしっかりと炒め水分を飛ばすことで、風味も歯ごたえもよくなります。今回の料理のコツといえば、そのくらいかもしれません。それから、味つけの際にごく少量砂糖を入れるのは、ターツァイのほろ苦さをやわらげる効果があるそうです。

 今回は、素材そのものの風味を感じられるよう、あえてニンニクやショウガは使いませんでした。はしりの味をぜひ楽しんでみてください(2012.12.1掲載)。

<塔菜炒冬筍 ターツァイとタケノコの炒めもの>

材料(4人前): 

ターツァイ 300g
タケノコ(皮をむいたもの。薄切り) 100g
塩 小さじ1
砂糖 小さじ1/3
油 大さじ3

作り方:

1.ターツァイは根元を切り離し、流水でよく洗い、水気を切っておく。
2.鍋に湯を沸かし、薄切りにしたタケノコを入れて、再び沸騰してきたら、ザルにあけて水気を切る。
3.中華鍋に油を熱し、タケノコを入れて炒め、タケノコが薄く色づいたら皿に取り出す(油は鍋に残しておく)。
4.次に中華鍋にターツァイを入れて炒め、全体に油が回ったら、タケノコを戻し、塩と砂糖を加えて味を整え、全体にしんなりしてきたら、火から下し、皿に盛りつけ、できあがり。

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