魚の皮の冷製

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 朝晩の空気がひんやりとして、火鍋が恋しい季節になってきました。我が家の火鍋に欠かせない具のひとつに、 炸魚皮(ジャーユーペイ)という、揚げた魚の皮があります。鍋のスープにさっとくぐらせ、カリッとしているうちに食べると大変香ばしく、病みつきになる味です。

 もともと炸魚皮は、魚ボールを乗せたスープ麺の店の製品ですが、最近では、スーパーでも手に入るようになりました。わざわざ魚の皮を食べるなんて!?と最初は驚いたのですが、今ではすっかり慣れてしまいました。

 そんな私でもこれを最初に見たときにはギョッとしたのが、今回のレシピである「爽滑魚皮(ソーンワッユーペイ)」です。

 初めて食べたのは、やはりスープ麺の店で。「爽滑」という名前が気になり注文してみたら、湯引きした魚の皮をショウガとネギで和え、ピーナッツを散らしたものが出てきてびっくり。見た目がややグロで一瞬引きましたが、魚の皮で野菜をくるみ、ピーナッツと一緒に口に入れると、文字通り、プリンと滑らかな舌触りと、香味野菜の爽やかな辛味が口の中に広がって、本来なら廃棄部位である魚の皮がこんな洒落た一品になるなんて、と感動すら覚えました。

 爽滑魚皮は広東省の順徳区が発祥と言われています。順徳は美食の町として知られ、順徳料理という独自の広東料理を創り上げた土地。養魚も盛んなので、魚の皮を利用してこの料理を考案したという説は頷けます。

 順徳のレストランでは上品に盛りつけた爽滑魚皮もあるようですが、香港で見かけるのは、庶民的な麺屋が出す、一口大に切った魚の皮と野菜を和えた素朴な一皿。これを肴にビールが飲みたくなる人も多いのではないでしょうか。

 魚の種類はいろいろで、淡水魚もあれば、サメやボラなどの海水魚もあるようです。しかし街市(市場)の鮮魚売り場を覗いてみても、皮を売っている店はありません。一体どこで手に入るのだろうと長年の疑問だったのですが、ようやく見つけました。魚屋ではなく豆腐やモヤシを売る店で、水に浸された状態で売られていました。

 きれいに処理され、すでに湯引きもされていましたが、そのまま食べる勇気はないので、もう一度熱湯で湯がいてから、氷水にとって引き締め調理します。実は最初の試作の時に(消毒も兼ねて)熱湯で3分間茹でたら、皮のゼラチン質が溶け出して半量に減ってしまったのでした。再び買いに行ったら、「数秒茹でれば充分よ」と店の人に笑われました。

 かすかに残る生臭さを消すために、たっぷりのショウガが欠かせません。また、ナッツとの相性が抜群で、ピーナッツの他、クルミやカシューナッツを使うレシピもあるようです。

 今回はごくスタンダードな味のタレにしましたが、酢やレモン汁を加えてもっと爽やかにするもよし、ラー油やニンニクを足してさらにパンチを効かせるもよし、アレンジは自由です(2012.11.17掲載) 。

<爽滑魚皮 魚の皮の冷製>

材料(4人前):

魚の皮 200g
ピーナッツ 70g
サラダ油 大さじ4
ネギ(せん切り) 30g
ショウガ(せん切り) 20g
Aしょうゆ 大さじ3
 魚露(ユーロウ/魚醤) 小さじ1
 砂糖 小さじ1/2 ゴマ油 小さじ1
 赤トウガラシ(小口切り) 少々

作り方:

1.鍋に湯を沸かし、沸騰したら魚の皮を入れ、すぐに取り出し、氷水の中に浸しておく。
2.小鍋にピーナッツとサラダ油を入れ、ごく弱火にかけ、ゆっくりとピーナッツに火を通す。
3.ピーナッツを揚げている間にAを器に入れよく混ぜ、2の鍋から油を大さじ1とって加える(残ったピーナッツ油は他の料理に使える)。
4.揚がったピーナッツは油を切り、冷ましておく。
5.ボウルに、水気をよく拭き取り一口大に切った魚の皮と、ネギ、ショウガ、ピーナッツを入れ、軽く混ぜ合わせる。皿に盛りつけ、上から3のタレをかけて、できあがり。

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