チャーシューと目玉焼き乗せごはん

Categories 香港味探検
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 最近ちょっと気に入っているのが「叉焼煎蛋飯」、つまり、チャーシューと目玉焼きを乗せたご飯、です。

 チャーシュー飯といえば、ふつうは焼味舗(ロースト肉屋)で食べるものですが、「叉焼煎蛋飯」は、茶餐庁のメニュー。チャーシュー自体は焼味舗のものを使っていますが、目玉焼きにも合う、きりっとした濃いしょうゆダレがかかっていて、中華というより、洋風な感じもします。これは、タレにシーズニングソースが入っているからかもしれません

 シーズニングソースは、中国語名を「鮮露(シンロウ)」と言いますが、そのメーカー名から、「マギーソース」とも呼ばれています。肉のうまみを凝縮させた液体調味料としてヨーロッパで生まれ、世界中に広がりました。味はずばり「肉のダシが効いたしょうゆ」。アジアでは、タイ料理で多用されている他、香港でも手軽な調味料として重宝され、中華のファストフード店では、テーブルに常備されています。これを白飯に直接振りかけて食べている人を見たときは、びっくりしました。

 「叉焼煎蛋飯」は、チャウ・シンチー(周星馳)が主演したコメディ映画『食神』にも登場します。

 失脚した天才料理人が、少林寺での修業を経て、再起を賭けた「料理の鉄人」対決で作った「黯然銷魂飯」、実はこれが「叉焼煎蛋飯」です。香港の有名な小説家・金庸(きんよう)の武侠小説『神雕侠侶』(日本語版は『神雕剣侠』 )に出てくる武技「黯然銷魂掌」をもじったもので、なぜ「黯然銷魂(悲しみに憂う心)」と命名したのかーーは、映画を観てのお楽しみですが、この映画が大ヒットしたおかげで、しばらくの間、巷では、「叉焼煎蛋飯」は「黯然銷魂飯」と呼ばれていたそうです。

 さて、この「叉焼煎蛋飯」、ちょっとしたコツがあります。

 チャーシューは、脂身も混じった、柔らかくジューシーなものを選びます。それを、薄く切って使います。焼味舗のチャーシュー飯は、どちらかというと厚切りですが、目玉焼きには、薄切りの方が合うように思います。しょうゆダレの染みたご飯と、半熟の黄身がとろっとからまったチャーシューを一口にほおばった時の、濃厚な味わい。焼味舗の甘いチャーシュー飯とは別もののおいしさです。

 目玉焼きにチャーシュー、あるいは、ハム、ランチョンミート、ソーセージなどを添えたご飯は、茶餐庁メニューの中でも、比較的安く、はっきり言ってしまえば、お金があまりない学生が食べるイメージが強かったのですが(実際、うちの近くの茶餐庁は、昼どきになると近所の中学生が大勢来て、みんな、これを食べています)、他のへたなご飯ものより、そのシンプルさゆえ、ハズレが少ないのかもしれません。ようやく人気の秘密がわかりました。食べず嫌いはいけませんね。今は深く反省しております。(2010.5.掲載)

<叉焼煎蛋飯  チャーシューと目玉焼き乗せごはん>

材料(4人分):

チャーシュー(薄切り) 300g
A生抽(サンチャウ/濃口しょうゆ) 小さじ1
 老抽(ロウチャウ/色づけしょうゆ) 大さじ2
 シーズニングソース 小さじ1
 砂糖 小さじ1/2
 水 大さじ2
菜心(チョイサム/さいしん) 8本
卵 4個
油 少々
炊きたてのご飯 4人分

作り方:

1.Aを小鍋に入れ、弱火にかけ、砂糖を溶かしておく
2.菜心はゆでておく。
3.フライパンに油を熱し、半熟の目玉焼きを作る。
4.皿にご飯を盛り、Aを少量かけ、チャーシューと菜心、目玉焼きを乗せ、再びAを少量かけたら、できあがり。

 

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