中華腸詰入り鶏肉とシイタケの柔らか蒸し

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 レストランのメニューに「臘味」の文字を見かけるようになると、香港にも冬が来たのだなあ、と実感します。 

 臘味(ラーッメイ)とは、味つけして乾燥させた加工肉の総称で、腸詰や、豚バラ肉を干したものなどがあります。ちょうど去年の今頃ここで紹介した、塩漬けにしてから干した鴨肉「臘鴨(ラーッアーッ)」も臘味の一種です。 臘味の「臘」は、中国語で旧暦の12月を指す「臘月」に由来するもので、昔はこの時期に加工したことから、こう命名されました。  

 臘味のおいしさをストレートに味わえるのが、白米と一緒に炊き上げた臘味飯。まさしく香港の冬の味覚で、香港人の大好物です。臘味から出た脂が染みたご飯はツヤツヤと香ばしく、普段は健康やダイエットに気を遣っている香港人も、この誘惑には勝てません。「冬は栄誉たっぷりの高カロリーのものを食べて寒さを乗り切るべし」という伝統的な考えも、臘味好きの背中を押しているのかもしれません。 

 噛むと甘い肉汁と脂がほとばしる臘味、私も嫌いではありませんが、毎回臘味飯というのはちょっと…と思っていたところ、先日、あるレストランで、臘味を風味づけに使った一品に出会いました。香港ではごく一般的な家庭料理「清蒸滑鶏」に、薄く切った臘味を入れただけなのですが、臘味の香りが加わることで、いつものおかずが冬仕様の特別な一皿に大変身。臘味はこんな風に使ってもいいのだ、と目からウロコです。 

 「清蒸滑鶏」は以前、ここで、チキンパウダー(鶏粉/ガイファン)という調味料の効果的な使用例として取り上げたことがあります。今回は臘味でコクを足すので、チキンパウダーは入れなくても大丈夫。 

 今回、味の決め手となる臘味は、2種類の腸詰、赤い「臘腸(ラーッチョーン)」と黒い「潤腸(ヨンチョーン)」を使います。「臘腸」はほんのりと甘く、「潤腸」は、レバーが入っているせいか、独特のコクがあり、酒の香りがするのが特徴です。 

 淡白な鶏肉に、腸詰から出た脂と肉汁がからまって、濃厚な味わいに。シイタケの他、キクラゲも加えると、異なる歯ごたえがいいアクセントになります。今回は香港の肉厚な干しキクラゲを使いましたが、日本の柔らかなキクラゲもよく合います。 

 臘腸を購入する時は、脂の部分が白く鮮明で(黄色く油焼けしていないということ)、肉と脂身が均等に混ざっているものを選ぶようにしましょう。 

 レストランでは、口をさっぱりさせる役割と彩りを兼ねて、塩ゆでした青菜が添えられていました。家庭では、他に油を使わない料理を組み合わせることで、味のバランスと、食卓全体の油の量を調整することができます。とかく油は敵視されがちですが、せっかくの季節限定の味、甘い香りのおいしい脂をしみじみと味わい、短い香港の冬を楽しんではいかがでしょうか。(2011.12.10掲載)

<双腸冬菇蒸滑鶏 中華腸詰入り鶏肉とシイタケの柔らか蒸し>

材料(4人前):

骨付き鶏肉(一口大のぶつ切り) 450g
A塩 小さじ2/3
 砂糖 小さじ1
 こしょう 少々
 紹興酒 小さじ1
 かたくり粉 小さじ1
 サラダ油 小さじ1/2
 しょうが(せん切り) 5g
臘腸(5ミリ厚さの斜め薄切り) 15g
潤腸(5ミリ厚さの斜め薄切り) 15g
シイタケ 4枚
キクラゲ 少々
Bしょうゆ 大さじ1
 砂糖 小さじ1/2
青菜(塩ゆでにしたもの) 少々

作り方:

1.鶏肉にAをよくもみ込み、15~30分おく。
2.蒸す直前に、シイタケとキクラゲも加え、さっくり合わせる。

3.耐熱皿に2を入れ、上に臘腸、潤腸を散らし、蒸気の上がった蒸し器で10分間蒸す。

4.肉に火が通ったら、Bをよく混ぜたものを、上からかけ回す 。

5.塩ゆでした青菜を添えて、できあがり。

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