白キクラゲと梨の甘いスープ

Categories 香港味探検
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 絵はがき用の写真や広告などで使う香港の風景写真は秋に撮る、と、以前、プロのカメラマンから聞いたことがあります。秋は比較的空気が澄んでいて、青空の広がる日が多いからなのですが、そんな話も今は昔、になってしまいました。最近の香港の秋空は、もやがかかったような白い色です。これが噂のPM2.5なのでしょうか…?

 湿度が下がったからなのか、PM2.5のせいなのかはわかりませんが、私の周囲では、咳が止まらなかったり、喉の不調を訴える人が続出中です。そんなときにぴったりの食べ物が、梨。

 梨は寒性の食べ物で、咳を止め、痰を切り、解熱・消炎効果があると言われています。

 香港で流通している梨は、シャリシャリした食感の中国梨と、ねっとりとした果肉の洋梨の2種類ありますが、喉によいとされているのは前者で、その代表的なものが雪梨(=シュッレイ)です。果肉が雪のように白いことからこの名がついたのだそうです。

 雪梨を煮出して作る雪梨茶は、本来なら漢方茶にカテゴライズされるものですが、香港ではソフトドリンクと同じ感覚で飲まれていて、某ハンバーガーショップでは、炭酸飲料と並んでメニューにあるほど。ハンバーガーもフライドポテトも熱性の食べ物なので、雪梨茶と一緒に食べるのはたいへん理にかなっているのですが、こんな組み合わせは香港だけではないでしょうか。

 乾物屋に行けば薄切りにして乾燥させた雪梨も売っているので、香港の人はこれを煮出して飲んだり、スープに入れて煮込んだり、一年中、食生活の中に取り入れています。

 でも今は秋。せっかくならフレッシュな雪梨を使いたい、そう思って街市(市場)に出かけたのですが、さまざまな品種の梨が並んでいるのに、肝心の雪梨が見当たらず。旬には少し早すぎたのかもしれません。どうしたものかとくだもの屋の店の人に相談したところ、鴨梨(=アーッレイ)を薦められました。その他、貢梨や水晶梨など、要するにシャリシャリ系の梨ならたいてい雪梨の代用になるとのことでしたが、とりわけ鴨梨は香りがよく、適度な酸味もあるので、デザート用に加工するのに適しているのだそうです。この鴨梨は日本でも一部の地方で栽培流通しているそうなので、日本でもこのレシピを再現することができますね。

 雪梨(今回は鴨梨)を水からゆっくりと煮て、甘酸っぱい梨のエキスを味わいます。おいしくて身体によいというのが中華デザートの神髄なので、梨の効能をさらに高める相性のよい漢方食材をいくつか合わせてみました。

 白キクラゲ(雪耳=シュッイーもしくは銀耳=アーンイー)、 杏仁(南北杏=ナームバーッハン)、砂糖漬けのナツメ(蜜棗=マッジョウ)、いずれも咳や痰を鎮める効果があると言われている食べ物です。

 甘みは冰糖(=ビントン)という氷砂糖を使いますが、今回のデザートは、蜂蜜を加えていいかもしれません。

 梨をたっぷり使ったので、1時間煮込んだだけでも、梨の味と香りが充分溶け出しています。梨は意外と煮くずれないので、とろりと柔らかくなった白キクラゲがお好みの方は、煮込み時間をもう少し長くしてもいいと思います。

 熱々をフーフーしながら食べるのもいいのですが、ほんのり温かいくらいの方が梨の香りや甘さが引き立って、おいしさがよくわかるような気がするのでお薦めです。(2013.10.26掲載)

<冰糖銀耳鴨梨湯 白キクラゲと梨の甘いスープ>

材料(4人分):

鴨梨 4個
白キクラゲ(乾燥したもの) 10g
杏仁 大さじ2
砂糖漬けナツメ 4個
氷砂糖 70g
水 1.5リットル

作り方:

1.鴨梨は四つ割りにし、皮をむいて芯を取り除いたら、さらに横半分に切る。
2.白キクラゲをたっぷりの水(分量外)に浸し、やわらかくなったら、黄色い石づき部分を取り除き、小さめの一口大にちぎる。
3.深鍋に水を入れ火にかけ、鴨梨、白キクラゲ、軽く水洗いした杏仁、ナツメを入れ、沸騰してきたら火を弱火にし、1時間煮る。
4.氷砂糖を入れ、砂糖が溶けたらできあがり。

 

 

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