干し牡蠣と貝柱入りワニのスープ

Categories 香港味探検
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 12、3年前のことです。香港の隣りの都市・深圳(シンセン)に食事に出かけました。行った先は海鮮レストランで、香港同様、大きな水槽がいくつもあり、さまざまな鮮魚が泳いでいます。

 ふと足下に目をやると、平たい水槽の中に、体長1.5メートル程の生きたワニが寝そべっていました。驚いて店の人に尋ねると、ワニは煮込んだりスープにして食べるのだそう。一瞬、試してみようか、と心が揺れましたが、店の人が言うには、ある程度の量のオーダーが入らないと調理できないのだとか。確かに、尾の部分だけをスープに、なんて言われても、ワニもお店も困るでしょう。結局、普通の海鮮を食べて香港に帰りました。

 先日、香港全域でチェーン展開している漢方食材の店(日本の食品も売っているので、ご存知の方も多いと思います)の冷凍食品売り場で、タイ産のワニ肉を見つけました。肉の切り身、筒切りの尾、手のひら、あばら骨など、部位別に真空パックされています。今思うと、深圳で見たワニは展示用だったのかもしれません。あの時は、「もし注文が入ったら、厨房は大変だろうな。エビやカニをさばくのとは勝手が違うだろうし」と思ったのですが、すでに加工されたワニ肉が用意されていたのなら、余計な心配でしたね。

 ワニを食す習慣はまだ香港では一般的ではありませんが、乾燥ワニ肉が入った薬膳スープセットも市販されていますし、こうして人気の食材店に真空パックのものが売られているくらいなので、それなりに需要はあるのでしょう。

 養殖の食用ワニは、タイやオーストラリアが主な産地で、中国広東省や日本でも養殖が進められているそうです。肉は白っぽいピンク色で、見るからに淡白な感じ。実際、牛豚鶏肉と比べても低カロリー高タンパクだそうです。コレステロール値を下げる不飽和脂肪酸を豊富に含み、尾の部分にはコラーゲンがたっぷり。海外では、ステーキや串焼き、煮込み料理やテールスープにして食べるのだとか。

 漢方の見地で言うと、ワニ肉(鱷魚肉/ンゴッユーヨッ)には、肺を潤し、咳を鎮め、痰を切る働きがあるそうです。季節の変わり目に起きやすい喉の不調にもよく、つまりは今の時期にぴったりの食べ物。店の人にいろいろと食べ方を教えてもらい、今回のレシピになりました。

 もっと漢方薬材をたくさん使ったスープのレシピも教えてもらったのですが、ワニ肉初心者としては、薬効よりも味が気になります。干し牡蠣、干し貝柱、豚肉から出た濃厚なダシのおかげで、かんじんのワニの風味はどこに?という感じですが、うまみたっぷりのスープができました。骨の部分に残った肉を食べてみると、味も食感も鶏肉のようで、ワニと言われなかったら、いや、たとえ言われてもわからないでしょう。

 ちなみに今回購入したワニの尾は、1斤(約600グラム)で46香港ドル(約608円)。特に高価というわけではないので、他のレシピにも挑戦してみたくなりました。(2014.3.15掲載)

<蠔豉瑶柱鱷魚尾骨湯 干し牡蠣と貝柱入りワニのスープ>

材料(4人分):

ワニの尾(筒切りにした冷凍品) 600g
豚赤身肉(大きめの一口大に切る) 150g
白キクラゲ 1個(約20g)
干し牡蠣 8個(約50g)
干し貝柱 40g
クコの実 大さじ山盛り1
陳皮(ミカンの皮を干したもの) 1枚(2センチ四方)
水 2リットル
塩 少々

作り方:

1.ワニの尾は自然解凍しておく。白キクラゲと陳皮は、それぞれ水(分量外)に浸しておく。
2.鍋に湯(分量外)を沸かし、ワニの尾と豚赤身肉を入れて3分間ゆで、取り出して、流水で洗う。
3.スープ用の鍋に分量の水を入れて強火にかけ、沸騰したら、ワニの尾、豚赤身肉、陳皮、干し牡蠣 、干し貝柱を入れ、再び沸騰したら、弱火にして2時間煮る。
4.白キクラゲの黄色い石づきを切り落とし、一口大に切り、クコの実と共に、3のスープの鍋に入れ、さらに1時間煮る。
5.塩を加えて味を整えたら、火から下ろして、できあがり。

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