パイナップルと牛肉の炒めもの

Categories 香港味探検
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 私が今住んでいる香港の郊外・新界(ニューテリトリー)地区の大埔(タイポ)には大きな街市(市場)のビルがあり、そこに入っている店を見て歩くのが楽しみです。

 地元の野菜を中心に扱っている八百屋が何軒かあって、こんなものまで大埔で収穫できるのか!?と、驚くこともしばしば。

 先日は、大埔で穫れたというパイナップル(菠蘿=ボーロー)を見つけました。確かに、ここはバス通りの脇に野生のバナナの木が生えているような土地なので、パイナップルが育っても不思議ではないのですが、香港産のパイナップルを見たのは初めて。香港で一般的に流通しているパイナップルは、台湾や東南アジア産がほとんどです 。

 今回見つけたパイナップルは「香水菠蘿」という品種で、最近、いろいろなところで見かけるようになりました。葉を含めた全長が2、30センチという可愛らしい大きさで、1回で食べきるのにちょうどいいサイズです。「香水」と言うくらいなのでたいへん香りがよく、果肉の繊維も柔らかいので、その食べやすさから人気に火がついたのかもしれません。

 街市で購入した時は、店の人が皮もむいてくれました。カッターで皮をそぎ落とし、茶色い点々は、V字型の刃が付いた彫刻刀のようなナイフで、らせん状に削り取っていきます。自分で皮をむかなくてはならない場合も、今はネットで検索すればいくらでもむき方が紹介されているので心配はありません。普通の包丁で簡単に成形できます。

 このおいしいパイナップルを何か料理にも利用できないかと考えました。甘いフルーツを料理に使うのは、広東料理の得意とするところです。缶詰のパインを使った料理が苦手な人はたくさんいますが、自然な甘みの生のパインなら、さほど抵抗なく食べられるのではないでしょうか。

 そこで、牛肉と一緒に炒めてみました。パイナップルと牛肉の相性のよさには定評があり、ベトナムの家庭料理にもよく似たものがあるそうですが、今回は中華料理らしく、味つけはオイスターソースで。隠し味にケチャップを少量加えます。

 今回のレシピは、味の相性の他に、もうひとつ利点があります。

 香港で流通している中国産の牛肉の多くは「黄牛」と呼ばれるもので、赤身が多く、野趣のある風味が特徴ですが、肉質が硬いのが難点。そこで下味をつける際に重曹をもみ込んで柔らかくするのが常識になっています。しかし、生のパイナップルには肉を柔らかくする酵素が含まれているので、重曹を使う必要がありません。今回はかたくり粉や溶き卵でコーティングして肉汁を逃さないように調理し、さらにジューシーな仕上がりを目指しました。中国の牛肉の価格が高騰したというニュースは聞いていましたが、本当にオージービーフよりずっと高価でびっくりです。せっかくの牛肉、上手に調理して、おいしく食べたいですよね。(2013.6.15.掲載)

 

<菠蘿炒牛肉 パイナップルと牛肉の炒めもの>

材料(4人前):

パイナップル 1/2個(正味200g)

牛赤身肉(かたまりを薄切りにする) 200g

塩、こしょう 少々
ショウガ(みじん切り) 小さじ1

赤ピーマン(2×2センチ大に切る) 1/2個

Aオイスターソース 小さじ1

 ケチャップ 小さじ1

 しょうゆ 小さじ2

 チキンスープストック(または水) 大さじ1

かたくり粉 少々

溶き卵 1/2個分

水溶きかたくり粉 少々

油 適量

 

作り方:

1.パイナップルは皮と芯を取り除き、8ミリ厚さに切る。芯は粗みじん切りしておく。

2.ビニール袋に牛肉、パイナップルの芯、塩、こしょうを入れて、よくもむ。口を閉めて、冷蔵庫で1時間置く。

3.袋から牛肉を取り出し(みじん切りのパインは取り除く)、かたくり粉、溶き卵の順にまぶす。

4.多めの油を熱した中華鍋に3の牛肉を入れ、強火で揚げるように炒め、牛肉の表面の色が変わったら取り出す(中まで完全に火が通らなくてもよい)。

5.中華鍋に少量の油を残してショウガを炒め、いい香りがしてきたら、パイナップル、赤ピーマン、牛肉を加え炒める。 Aを入れてさらに炒め、全体になじんだら、水溶きかたくり粉を加えとろみをつけ、火から下し、皿に盛りつけ、できあがり。

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