オクラとトマトの炒めもの

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 ちょうど1年半前、オクラを使ったレシピを紹介しました。

 オクラ自体は昔から香港にありましたが、インドやタイ料理で使われることが多く、中国料理の食材としてはまだまだ珍しい存在。街市(市場)の中の野菜売り場でも、名称が「秋葵(チャウクヮイ)」だったり「毛茄(モウケー)」だったり、統一されていないところも、新参の野菜という印象です。店の人に食べ方を尋ねても、 「両端を切り落とし、コップ1杯のぬるま湯に浸してひと晩置いてから飲む」と、まるで漢方薬の一種のような扱い方。確かに、オクラは身体によい食べ物で、特に粘りの成分であるペクチンとムチンは、成人病を防ぎ、疲労回復に効果があると言われています。香港でもそのことは知られていたのでしょう。ようやくある店で「炒めて食べる」と言われ、作ってみたのが、前回の「秋葵炒肉砕(オクラのひき肉炒め)」でした。

 あれから1年半、香港の市場では、明らかにオクラを扱う店が増えました。どの店でも「秋葵」と表示されていて、呼び名も定着したようです。長さ10センチ程度の、きちんとビニール袋に入ったタイからの輸入ものの他に、長さや太さがまちまちのオクラも目につきます。どうやら、香港郊外の畑で穫れた地のもののようです。

 オクラを扱っている店1軒1軒で、食べ方を尋ねてみました。今回は誰も「オクラ水」について言いません。全ての店で言われたのは、「炒める」あるいは「蒸すかゆでる」。この後者の調理方法は初めて聞いたので、さらに詳しく尋ねてみました。

店「ヘタの部分を切り落として、蒸し魚みたいに蒸すのよ」
私「切らないの?」
店「切ったら、中のネバネバが外に出てしまうでしょ!」
私「味つけは?」
店「しょうゆとか。だから蒸し魚と同じよ」
私「ゆでる場合は?」
店「丸ごとゆでて、しょうゆをかけて、そのまま食べる。オクラは簡単な食べ方でいいのよ」

 ただの「オクラ水」から「ゆでて、しょうゆをかける」ところまで来たのに、なぜ小口切りにしないのか?それなら筋も気にならず食べやすいし、切り口が星形できれいなのに…。よっぽど日本式の食べ方を伝授しようかと思いましたが、納豆やとろろのようにネバネバしたものをご飯と一緒に食べる習慣がない香港人に説明してもぴんとこないかもしれない、と思いやめました。

 さすがに丸ごとゆでただけのオクラではレシピにならないので、今回もやはり炒めるレシピになりました。 今回は、トマトと一緒に炒めた、さっぱりとした野菜料理です。肉料理や卵料理によく合うと思います。

 香港では水洗いした生のオクラをそのまま調理しているようですが、やはり日本式に、最初に塩でこすってうぶ毛を取りのぞき、軽く下ゆでしてから使った方が、口当たりもよく、その後の調理もしやすいでしょう。特に今回は、やや柔らかめにゆでた方が、トマトとのなじみがよく、とろっとした食感が楽しめます。

 身体にいい食べ物が大好きな香港人ですから、今後、オクラ料理の種類は増えていくに違いありません。日本の料理とはひと味違うおいしいオクラ料理を見つけたら、またここで紹介しますので、楽しみにお待ちください。(2013.11.9掲載)

<秋葵炒蕃茄 オクラとトマトの炒めもの>

材料(4人分):

オクラ 200g
トマト(くし切り) 大2個(約350g)
ニンニク(みじん切り) 1粒
A砂糖 小さじ1/2
 塩 小さじ1
 市販のチキンスープストック(あるいは水) 50cc
油 少々

作り方:

1.オクラは塩(分量外)を振って板ずりしてから、熱湯でゆで、ざるにあげておく。あら熱がとれたら、ヘタの部分を切り落とし、1本を斜めに3つに切る。
2.中華鍋に油を熱し、ニンニクを入れて、いい香りがしてきたら、トマトとAを加えて、強火で炒める。
3.トマトが煮くずれ始め、水分が半量になったらオクラを加え、水気を飛ばしながら、さらに炒める。
4.水分がほとんどなくなったら、火から下し、皿に盛りつけ、できあがり。

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