龍鬚菜のニンニク炒め

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 街市(市場)で奇妙な姿の青菜を見つけました。まっすぐ伸びた鮮やかな緑色の茎と柔らかそうな葉、その脇から細長いツルがひょろひょろと何本も伸びています。「龙須菜」と書かれた名札を見てしばらく考えましたが、それが「龍鬚菜」の略字であることに気づきました。

 それで思い出したのは、「龍鬚糖」という、水飴を練り、ごく細い糸のように引き伸ばした飴をふんわりまとめて、繭玉のように形作った中国の伝統的な駄菓子。「龍のひげ飴」と呼ばれて香港土産のひとつにもなっているのでご存知の方も多いでしょう。ならば、「龍鬚菜」はさしずめ「龍のひげ菜」とでも言いましょうか。

 好奇心から買って帰り、家で調べてみたら、これは「合掌瓜(ハーッジョーングワー)」の若い葉だとわかって、さらにびっくり。

 合掌瓜は、別名を「仏掌瓜」「仏手瓜」とも言い、その名の通り、手のひらを合わせたような形をしたウリです。日本では「ハヤトウリ」と呼ばれる知る人ぞ知るウリですが、香港では誰でも知っている野菜のひとつ。大きく切ってスープに入れたり、薄切りにして炒めて食べたり、ほとんどニンジンやダイコンと同じ感覚で扱われている野菜です。ビタミンが豊富で、低カロリー、食物繊維がたっぷりなことから「美容とダイエットに最適な野菜」とも言われ、大変人気があります。

 しかし、葉の方を食べる習慣はほとんどないので、まさか同じ野菜だとは思いもしませんでした。

 店の人に食べ方を尋ねると、「適当な長さに切ってから、ニンニクと一緒に油炒めするとよい」と教えられました。香港で最も一般的な青菜の調理の仕方です。

 店の人から教えられた通り1本を3つに切って、まずは硬そうな茎の下の部分から炒めていきます。少ししんなりしたところで、ひげのある上の部分を入れます。

 強火で一気にカラリと炒めるつもりでしたが、予想以上にしっかりした茎なので、少量のスープを入れて蓋をし、少し蒸し煮にする感じで火を通しました。この青菜は、しっとりとした感じに炒めた方が口当たりがよいように思います。日本では、野菜を炒める時は手早くやれ、水分を出すな、というのが鉄則ですが、中国野菜の多くは多少の熱ではクタクタにならないせいか、つきっきりで鍋を振る必要がなく、余裕をもって調理できるので助かります。

 龍鬚菜が全体にしんなりしてきたら、蓋を取り、水分を飛ばすようにしながら炒めていきます。好みの固さになったらできあがり。

 さて、お味の方はどうでしょうか。

 味にクセはなく、茎のシャキシャキした感じ、そしてひげの部分の柔らかな噛み心地、なんとなく、ゼンマイやワラビなどの山菜を思わせる食感がありました。もしかしたら、山菜のように薄味で軽く煮つけてもおいしいかもしれません。また、結構繊維がしっかりしているので、少し短かめに切った方が食べやすそうです。

 香港では珍しい野菜ですが、台湾ではよく食べられているそうで、合掌瓜と同様、低カロリーで、繊維質が多く、さらには血糖値を下げる効果があるとも言われているようです。また、害虫に強く、農薬を大量に使う必要のない健康的な野菜でもあるのだとか。

 そんなに優れた野菜なら、香港でもきっと人気が出るのではないでしょうか。油麦菜や皇帝菜などのように、ひと昔前には見かけなかった青菜が、今ではどこでも手に入るようになった例もあります。もしかしたら龍鬚菜もそんな存在になるかもしれません。(2013.6.29掲載)

<蒜蓉炒龍鬚菜 龍鬚菜のニンニク炒め>

材料(4人前):

龍鬚菜 300g
ニンニク(みじん切り) 大さじ2
チキンスープストック(または水) 100cc
塩 小さじ1/2
油 少々

作り方:

1.龍鬚菜はよく水洗いし、5センチ長さに切る。
2.中華鍋に油とニンニクを入れ火にかけ、いい香りがしてきたら、龍鬚菜加えて炒め、油がなじんだところで、スープストック(または水)を加えて蓋をし、1、2分間、龍鬚菜がややしんなりするまで火を通す。
3.蓋を取り、水分を飛ばすようにしながらさらに炒める。塩で味を整え、好みの固さになったら火から下し、皿に盛りつけ、できあがり。

2 thoughts on “龍鬚菜のニンニク炒め

  1. みっき~ on

    とっても参考になりましたー!!!!
    りゅうの髭菜、
    買ってみたものの。調理法がわからず。
    ごま油水入れて炒めてみます(笑)

  2. みっき〜さま

    コメントをどうもありがとうございました。
    香港を留守にしていたので、返信が遅くなってごめんなさい。

    りゅうのヒゲ菜、日本で購入されたのでしょうか?
    私はあれ以来、まだ再会していないのです。合掌瓜はよく見かけるのですが…。茎さえうまく火が通れば、おいしい野菜ですよね。

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