広東風ゆでイカ

Categories 香港味探検
0
Tags

 

 よく行く麺粥屋さんで、私の隣りに座っていたおじさん2人が、ひと皿のゆでイカゲソをつまみながら、ビールを飲んでいました。暑い昼下がりのことです。昼間からビール、というのは香港ではよくある光景ですが、ほとんどが中年男性で、若い男性や、女性の姿はまず見ません。私は飲んべえではないのですが、こんな暑い日に、冷えたビールを飲みながら食べるイカゲソはとてもおいしそうで、楽しく一杯やっているおじさんたちを羨ましく眺めていました。

 ゆでイカゲソの料理名は「白灼墨魚鬚」と言います。「白灼(バッチョッ)」というのは、ここでも何度か取り上げた「熱湯でさっとゆでる」という広東料理特有の調理方法です。新鮮な食材が手に入る香港ならではの料理で、海鮮レストランの「白灼蝦(ゆでエビ)」は有名ですし、飲茶に行けば、「白灼生菜(ゆでレタス)」なども食べられます。飲茶レストランには、「白灼魷魚(ゆでイカ)」というメニューもありますが、これは、生のイカではありません。

 香港ではよくイカを食べるせいか、加工の違いによって様々に呼び名を変えます。

 カラカラに干したイカ(スルメ)は「土魷(トウヤウ)」、生干しのイカは「吊片(ディウピン)」、干したイカを水で戻したものが「魷魚(ヤウユー)」、生のイカは「鮮魷魚(シンヤウユー)」、そしてイカの総称は「墨魚(マッユー)」です(たまに「烏賊(ウーチャッ)」の字も見かけます)。ちなみにタコは「八爪魚(バッジャウユー)」です。イカゲソは「墨魚鬚(マッユーソウ)」で、「足」ではなく「鬚(ひげ)」なのがおもしろいですね。

 飲茶の「白灼魷魚」もプリプリとして柔らかく、悪くはないのですが、「白灼」にするなら、やはり生イカの方が味が濃くて、イカの風味を味わえます。新鮮なイカを求めて、街市(市場)まで行って来ました。

 この日街市に並んでいたイカは20センチ程度の小ぶりなものが多く、これでは、火を通すと縮んで、ゲソは本当にチョビひげ程度になってしまいます。しかたがないので、丸ごと使うことにしました。よって料理名は「白灼鮮魷魚」に変更。結果的には、ゲソだけよりも、おかず風の一品となりました。

 新鮮なイカの甘みや柔らかさがおいしいのはもちろんですが、この料理のポイントは、たっぷり乗せたネギとしょうがのピリリとした味。爽やかな辛味が、暑い夏の日にぴったりです。しょうがの辛みをしっかり感じたいので、やや太めのせん切りにするのが、ちょっとしたコツです。

 ビールはもちろん、白いご飯にもよく合います。こんな爽やかな中国料理があったのかと、驚かれるのではないでしょうか。(2010.7.17掲載)

 

<白灼鮮魷魚 広東風ゆでイカ>

材料(4人分):
イカ 3ばい(約300g)
赤とうがらし(太いもの。小口切り) 少々
砂糖 小さじ1
サラダ油 大さじ1
ゴマ油 小さじ1
しょうゆ 大さじ3
シーズニングソース 小さじ1
レタス 1/4玉
塩 少々
長ねぎ(せん切り) 20g
しょうが(せん切り) 20g

作り方:
1.イカは皮と内臓を取り除き、切り開いて格子状に包丁目を入れた後、ひと口大に切る。
2.耐熱の器に赤とうがらしと砂糖を入れ、中華鍋でサラダ油とゴマ油を熱し、耐熱器に注ぐ。砂糖が溶けたら、しょうゆ、シーズニングソースを加えてよく混ぜる。
3.中華鍋に熱湯を沸かし、塩少々を入れ(湯に薄く塩味を感じる程度)、レタスをゆで、しんなりしたら、皿にあける。
4.次いでイカをゆで、ゆで上がったらレタスの上に乗せ(皿にたまった湯は捨てる)、長ねぎ、しょうがを散らし、2のタレをかけ回して、できあがり。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>