ポークチョップドリア

Categories 香港味探検
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 先日、夫の弟が香港へ来ました。義弟は生まれは香港ですが、17才のときにカナダへ移民、その後、生活の拠点を上海に移して、もう10年以上になります。人生の半分以上を香港以外の土地で過ごしている彼が香港へ来るたびに楽しみにしているのが、某ファストフード店の揚げた鶏モモ肉、某菓子パンメーカーのカステラ、駄菓子屋で売っている甘辛い麩菓子、そして、「焗豬扒飯(ゴッジューパーファーン)」を食べること。どれも子供の頃の舌に焼きついている思い出の味なのだそうです。

 「焗豬扒飯」というのは、卵チャーハンの上に豚肉のソテーをのせ、トマトソースをかけてオーブンで焼いたもので、香港では、ちょっと気取った餐庁(洋食レストラン)から、茶餐庁(食堂)、ファストフード店まで、あらゆる店のメニューにのっている代表的な香港料理。西洋料理でも日本の洋食でもない、正真正銘、香港の味です。

 香港人にとってはソウルフードのようなものなので、うちの夫も「焗豬扒飯」には思い入れがあり、ある茶餐庁で出てきた「焗豬扒飯」が「まさしく70年代の香港の味」だったそうで、涙を流さんばかりに感激していました。私も味見してみましたが、ソースは甘く、トマトの香りと酸味が鮮やかで、確かにとてもおいしく感じるものの、どんなところが懐かしい味なのか、残念ながら私にはわかりません。

 義弟は料理好きなので、カナダや上海で本格的な「焗豬扒飯」が自分で作れないか、いろいろと研究したそうです。そして出た結論が、「キャンベルのトマトスープ缶を使うと、かなり近いものができる」。

 今回のレシピは、その義弟から教わった「焗豬扒飯」です。上海ではキャンベル缶がとても高価だそうで、気軽に作れないのが不満だ、とも言っていました。

 かなり甘口のトマトスープなので、砂糖やケチャップを入れる必要がありません。缶詰特有のややチープな風味がいかにも万人向けで、子供が喜びそうな優しい味に仕上がるところが郷愁を呼び起こすのでしょうか。

 ただし、ソースだけが上手にできてもダメで、ジューシーなポークチョップ、パラリと炒め上がった香ばしい卵チャーハンの三位一体があって初めて真においしい「焗豬扒飯」なのだ、と義弟も夫も口を揃えます。

 言うのは簡単、でも作るのは結構大変なんですけれど…。

 なんとか作り上げ、試食した2人からは、絶賛、とまではいきませんでしたが、及第点をもらいました。しかし、香港に住んでいる間はお店で食べればいいのでは…。また作ってみるかどうかは、正直言って、微妙です。(2013.4.6掲載)

<焗豬扒飯  ポークチョップドリア>

材料(3人前): 

バター 大さじ1
ニンニク(みじん切り) 1かけ
ニンジン(薄切り) 40g
セロリ(斜め薄切り) 30g
玉ネギ(くし切り) 50g
キャンベルトマトスープ缶 1缶 牛乳 缶の1/3量

トマト(粗みじん切り) 大2個(約350g)
水溶きかたくり粉 少々 骨付き
豚ロース肉(1.5センチ厚さのもの) 3切れ
塩、こしょう 少々
小麦粉 少々
溶き卵 1個分 ご飯 お椀大盛り3杯
卵 1個
スライスチーズ(適当な大きさに切っておく) 1枚
油 少々

作り方:

1.鍋にバターとニンニクを入れ、よい香りがしてきたら、ニンジン、セロリ、玉ネギを炒め、スープ缶の中身と牛乳も加えて、ふたをして弱火で10分間煮る。
2.トマトを加え、さらに5分煮て、塩で味を整え、水溶きかたくり粉でとろみをつけ、ソースのできあがり。
3.豚肉は筋切りをしてから、肉たたきか包丁の背を使って肉をたたき、塩、こしょうした後、薄く小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせたら、多めの油を入れたフライパンで、きつね色になるまで、こんがりと焼いておく。
4.中華鍋に油を熱し、卵とご飯を入れて、卵チャーハンを作る。
5.耐熱皿に卵チャーハンを敷き、3の豚肉をのせ、上から2のソースをかけ、チーズを散らして、高温に熱したオーブンで、約10分、表面にこげ目がつくまで焼いたら、できあがり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 thoughts on “ポークチョップドリア

  1. NORIKOさんは作って差し上げたのですね。お優しい。言うのは簡単・・・ですよね。(笑)
    茶餐廳で供されるメニューって、自宅再現できないものも(ものが?)多いんでしょうか?焗飯は、訪港中に1度は食べておきたくなります。前世は香港で過ごしたのかもしれません。昨年12月の訪港時では鴛鴦焗飯を探して歩き、西營盤の茶餐廳で食べました。「鴛鴦でなんて、邪道だっ!」とご主人や弟さんに叱られそうですね。
    でも、これがソウルフードに入るとは。てっきり燒臘飯とか雲呑麵などがソウルフード代表選手だとばかり思っていました。そうなのですかあ。。でも、遠い地に暮らしている日常の中で再現したくなるお気持ちって、やっぱりあるんですね。弟さんがチャレンジされたのには遠く及びませんが、ウチはいつも寿桃牌のインスタント麺で「雲呑麵ごっこ」をします。・・・が、肝心の雲吞に恵まれないことと、そうこう試してる間にストックの麺が切れてしまうので、毎度挫折のままです。。。

  2. Noriko on

    こえだ様

    コメントをありがとうございます。

    茶餐庁のメニューは自宅で再現できないことはないと思うのですが、強火でガーッと炒めるタイプはやっぱり難しいですね。似たような味にはできても、火力がもたらす香ばしさは、家庭ではなかなか出せません。
    これはオーブンで焼くタイプだったので何とか作り上げましたが、こんなに手間がかかるなら、お金を払ってもお店で食べた方がいいのでは…と思った次第です。

    とはいえ、最近の香港の茶餐庁の値上がりは凄まじいものがあります。
    うちのような田舎のローカルな店でも、「シンガポールビーフン」が40ドルですよ!
    日本人に人気の翠華餐庁(最近、大埔にもできました)なんて、60ドルです。たかだかカレー味の炒めビーフンがですよ!!!!!!!

    そのうち、家で作った方がいいや、なんて日がくるのかもしれません。寂しいです。

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