何首烏入り黒もち米のお粥

Categories 香港味探検
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 香港で暮らしている日本人の間でよく言われるのが、抜け毛が増えた、髪が茶色くなった、という悩みです。科学的に検証されたわけではありませんが、水のせいではないか、という意見が多いようです。私も、長年、硬くて太い真っ黒な髪が悩みのたねでもあったのに、いつの間にか、黒は濃い茶色に変わり、量は半分近くに減りました。

 もちろん、環境だけでなく、加齢も原因でしょう。髪にツヤがなくなり、白髪も気になります。黒ゴマのお汁粉(芝麻糊)が髪によいと聞いて、せっせと食べた時期もありましたが、それだけではどうにもならなくなってきました。 もっと髪によい食べ物はないかしら。それが、今回のテーマです。

 ジャッキー・チェンがイメージキャラクターをつとめる、日本人の間でも話題になった、漢方薬入りのシャンプー。そこで使われている漢方薬のひとつに、何首烏(ホーサウウー)があります。日本では「かしゅう」と呼ばれる、ツルドクダミという薬草です。肝機能を補い、血をきれいにし、髪を黒くし、強壮効果もあるのだとか。ごく薄く薫製のような味とにおいがする程度でクセがなく、薬効も穏やか、強い副作用の心配がないので、比較的使いやすい漢方薬ではありますが、ネギやニンニクと一緒に食べない、鉄製の鍋で調理しないこと、などの禁忌があります。

 薬膳スープに入れることが多い何首烏をデザートに使ったのが、今回のレシピ。

 何首烏のエキスを煮出した汁で黒糯米(ハッノーマイ)を柔らかく煮て、甘みをつけた温かいお粥です。黒糯米はインディカ種のもち米の玄米で、アントシアニンという紫黒系の色素を含んでいるために色が黒く見えます。このアントシアニンは、老化を防ぐと言われているポリフェノールの一種。中国では古くから不老長寿の米とされ、皇帝へ献上されたとも言われています。香港では「紫米」とも呼ばれていて、ココナッツミルクと一緒に煮た「紫米露」も黒糯米を使ったデザートです。

 今回はここに黒ナツメ(黒棗/ハッジョウ。大棗、南棗とも言う)も加えて、さらに効能アップ。黒ナツメは、前回紹介した紅ナツメ(紅棗)をいぶして加工したもので、甘酸っぱい味とスモーキーな香りが特徴です。紅ナツメ同様、補血、精神安定の効果があり、紅ナツメより栄養価が優れていると言われています。

 黒糯米は、ほんのりとバニラのような甘い香りがするのですが、そこにスモーキーな黒ナツメと何首烏が加わることで、アジアのどこかの街角にいるような、懐かしいような、不思議な風味を醸し出します。こういうやや個性的な味には、仕上げの甘みは、コクがあって力強いはちみつが合うように思います。黒砂糖でもいいかもしれません。

 とろりとした舌ざわりの中に黒糯米のプチプチとした食感があり、たっぷりの食物繊維を実感する食べごたえ。美髪だけでなく、体全体に効きそうな薬膳デザートです。 (2012.3.3掲載)

<何首烏黒糯米粥 何首烏入り黒もち米のお粥>

材料(4人分):

黒糯米 1カップ
何首烏 20g
水 1リットル
黒ナツメ 4個(約30g)
はちみつ 大さじ3

作り方:

1.黒糯米をたっぷりの水(分量外)に1時間浸した後、ザルに上げて水気をきっておく。
2.何首烏を水洗いし、水と共に鍋に入れ火にかけ、弱火で1時間煮る。
3.煮汁をザルで濾し(何首烏は捨てる)、水を足して、再び1リットルにする。
4.鍋に3の煮汁と黒糯米、黒ナツメを入れ火にかけ、沸騰したら弱火にして、ふたをして約1時間、焦げつかないよう時々かきまぜながら煮る。
5.黒糯米が柔らかくなったら、はちみつで甘みをつけて、できあがり。

2 thoughts on “何首烏入り黒もち米のお粥

  1. 漢方って、食べ合わせや飲み合わせで、「すると良いもの」と「してはいけないもの」とがハッキリわかれているような印象がします。「どっちでもいいよ」という中間が無いというか。(笑)「どうせ摂るなら身体に良いものを」と望む香港人の考え方からのものでしょうか。見境なく涼茶を飲んで効能あるような気分になっている自分は、こわいなあって反省です。
    黒糯米はデザートでも活躍なんですね。よく寄る粥麺店で黒糯米の粢飯を好んで買います。やっぱり白糯米のそれよりも惹かれますが、髪にも良いのなら、これからも食べ続けなければ・・・と思います。(笑)

  2. Noriko on

    こえだ様

    コメントをありがとうございます。

    髪ふさふさのジャッキー・チェンが宣伝していると、説得力があるんですよ。
    最近、アグネス・チャンのシャンプーのCMがよくTVで流れていて、それがまた、すごーく若々しくてビックリ(日本のメーカーの製品なので、日本でも放送されているかもしれません)。
    絶対に画像処理してるはず!と思いつつも、やっぱり漢方って効くのかも…とつい気になって買ってみたくなります。宣伝にまんまとのせられる自分が悔しいです(笑)。

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