蒸しボラの梅スープ浸し

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 今年の5月、街市(市場)で香港産の青梅を見つけてから、しばらく梅を使った保存食作りに没頭していました。試行錯誤の連続で、そのドタバタについてはブログにも書きましたが、なにしろ香港の梅事情なんてわからないことばかり。なかなか面白い経験でした。

 街市の店の人に青梅の食べ方を尋ねたら、「酒に漬けるか、塩に漬けるか、酢に漬ける」と教えてくれました。日本と同じですね。

 しかし、売られている青梅を見た限り、香港の農家は、梅を主力商品として栽培しているわけではなさそうです。量も少ないし、品質も今ひとつ。香港では、日本のように、好みの品種を選んで買うようなぜいたくは望めなさそうです。

 梅の栽培には、温暖で湿潤な気候が適しており、中国では、福建省漳州市紹安県が「中国青梅の郷」と呼ばれています。日本の和歌山のような存在でしょうか。ここから海をはさんで面した台湾も、梅を加工した食品がたいへん豊富なところです。

 一方、香港はというと、せいぜい、酔い止めの薬代わりにする、カラカラに干した話梅(ワームイ)、身体のほてりを冷ますために飲む酸梅湯(シュンムイトーン)、ローストグースに添える梅ジャム、くらいでしょうか。

 ただし梅酒は香港でも大人気。大手メーカーのものだけでなく、日本各地で作られている梅酒が多数手に入るようになり、梅酒を好む香港人が増えたことを実感します。甘くて飲みやすく、身体にもよい梅酒は、香港人の嗜好に合ったのでしょう。

 梅を使った料理はどうでしょうか。

 潮州料理の本場・広東省潮州市や汕頭市の近くにある汕尾市陸河県も梅の産地として有名で、そのせいか、潮州料理では梅をよく使います。

 今回のレシピは、そんな塩漬けの梅(酸梅/シュンムイ)を使った潮州式の魚料理。酸梅は日本の梅干しで代用できます。

 使う烏頭魚(ウータウユー/ボラ)は脂があり、酸味と相性がよく、以前にも、塩漬けレモンと一緒に蒸したレシピを紹介しました。

 蒸したボラに、酸梅で味つけした豚ひき肉入りのスープをたっぷりと張ったこの料理、魚の形をした金属製の皿に乗せ、卓上コンロで煮ながら食べると「明炉烏魚」という料理になります。タイやベトナム料理にも、よく似たものがあるので、ご存知の方も多いでしょう。潮州式は酸梅の他に咸菜(ハームチョイ)という潮州の漬けものを加えますが、これをタイのハーブやフクロタケに変えると、タイ式の「明炉烏魚」になります。作り方も盛りつけもそっくりです。実は、タイの華僑は潮州人が圧倒的に多いとのこと。潮州料理の影響を受けていても不思議ではありません。

 魚の身を崩し、酸味のきいたスープと一緒に食べます。スープごと白いご飯にかけて、さらさらと口に運ぶと、いくらでも入りそう。初夏にふさわしい、さっぱりとしたひと皿です。(2011.6.18掲載)

 

<酸梅烏魚 蒸しボラの梅スープ浸し>

材料(4人分):

ボラ(ウロコと内臓を取り除いたもの) 1匹(300~350g)
咸菜(水洗いした後、せん切り) 30g
ごま油 小さじ1
しょうが(せん切り) 5g
豚ひき肉 100g
Aスープストック 500cc
 酸梅(粗みじん切り。たねも捨てずにとっておく) 1個
 酢 小さじ1
 芹菜(カンチョイ/中国セロリ)(5センチ長さに切る) 20g
 赤とうがらし(小口切り) 5g
長ねぎ(5センチ長さのせん切り) 30g
香菜(5センチ長さに切る) 10g

 

作り方:

1.耐熱皿に咸菜をしき、水気をふいたボラを乗せて、蒸気の上がった蒸し器で10分間蒸す。
2.鍋にごま油を熱し、しょうがを炒めて香りがたったら、豚ひき肉を炒め、さらにAを加えて(酸梅のたねも入れる)、弱火で10分煮る(味を見て、薄い場合は塩を足す。目安は、飲むとやや塩辛く感じる程度に)。
3.蒸し上がったボラの皿に熱々のスープを張り、上に長ねぎと香菜を散らして、できあがり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 thoughts on “蒸しボラの梅スープ浸し

  1. 日本でも「身体に良いもの」として取り入れられているかもしれませんが、「酔い止めの薬替わり」って香港ならではですね。ローストグースに添えられる梅ダレは、今でもなんだか不思議な取り合わせに感じます。なのでいつもお肉に付けずに付け合わせの白飯に少しずつのせちゃいます。(笑)
    ボラ、とても美味しそうですね。こういう姿そのままの蒸し魚って、太太と二人だと食べられなくて体験がありません。1度だけハタだったかの餡かけをいただいたことがあるだけです。白飯が進みました。(笑)・・・こちらのお写真のスープが緑がかっているのは、青梅のためなのでしょうか?なんて、何も分かっていなくてお恥ずかしいですが。この色のスープって目にしたことがありません。色からしても、初夏にふさわしい感じがするお料理ですね。

  2. Noriko on

    こえだ様

    コメントをありがとうございます。

    スープが緑っぽく見えるのは、黄緑、緑色系の野菜がたっぷり入っているからだと思います。蒸し魚に入っているネギ類が大好きなので、ついついたくさん入れてしまうのです…。

    日本でも、イワシやサバを梅干しと一緒に煮たりしますよね。この辺りの共通点は同じアジアだなあ、と思います。脂ののった魚と梅の相性は抜群です。

    奥様とおふたり、とのことですが、こういう食欲をそそる味つけだと、結構食べられるものですよ。うちは大人ふたり子どもひとりですが、骨だけ残してきれいに食べ尽くしてしまいます。そしてもっと食べたそうにしています(笑)。次回はぜひ試してみてください。

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