りんごと梨と豚肉のスープ

Categories 香港味探検
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 季節の変わり目というのはやっかいなもので、少し前、急に寒くなったので、身体が温まる料理をせっせと作っていたら、気候がまた少し温み始め、夫は口内炎、私は吹き出もの、と明らかに熱気(イッヘイ)過多の症状が出てしまいました。

 亜熱帯の香港では、身体の中に熱が溜まるのを嫌いますが、寒い冬は別。身体が冷えてエネルギー代謝が低下するので、補品(ボウバン)という、滋養強壮効果の高い、身体を温めるものを積極的に摂るようにします。本格的な冬はそれでいいのですが、初冬の今は、その加減が難しく、ついつい身体を温め過ぎてしまいます。かといって、夏の食べものは涼しすぎるし、なにより、乾燥している今の季節に合いません。

 香港の秋冬は、湿度が下がり、一年で最も気持ちのいい季節のはずですが、ここ数年、くっきりとした青空が広がることが少なくなり、白く曇った日が多くなりました。大陸からの大気汚染が原因ではないかと噂されていますが、そういえば、空咳が出て、喉の調子もよくありません。さて、こんな時は、何を食べると身体の調子がよくなるのでしょうか。

 今日ご紹介するのは、スープです。前回はデザート用の甘いスープでしたが、今回は、食事の時に飲むスープ。乾燥した季節には、やはり身体を潤す温かい汁ものが嬉しいですね。

 今回のスープの特徴は、りんごと梨が入っていることです。スープにりんご? 梨? と驚かれるかもしれませんが、香港ではごく普通のこと。さわやかな香りと柔らかな甘酸っぱさが、塩味のスープに意外とよく合います。

 りんごも梨も、さまざまな品種がありますが、りんごは、好みのもので結構です。梨は、いわゆる中国梨で、外見は洋梨に、食感は和梨に似ています。果肉が白いことから、一般に、雪梨(シュッレイ)と呼ばれています。

 雪梨はフレッシュなものだけでなく、薄切りにして乾燥させたものがあるほど、香港ではよく使われています。煮込んで、咳止めの薬として飲用するのだそうです。りんごも梨も、本来は皮をむかずに使いますが、私はワックスや農薬が気になるので、むいてから入れました。

 スープのダシは、豚の赤身肉(痩肉/サウヨッ)で。脂肪分が少ないので、すっきりとした味に仕上がり、今回のようなフルーティなスープにはぴったりです。こってりと濃厚なダシの出る豚骨の出番は、もう少し寒くなってから。

 そして、さらに蜜棗(マッジョウ)と南北杏(ナームバッハン)も加えます。

 蜜棗は砂糖漬けにしたナツメで、スープにまろやかな甘みを加え、咳やタンを鎮める効果があると言われています。前回ご紹介した南北杏は、杏仁の清涼感のある香りが、スープをより香り高くするだけでなく、咳止めの効果があり、雪梨とは、とても相性がいい漢方食材とされています。

 喉によく、身体の内側から渇きを癒すとされる食材ばかりを使ったスープ。しっかり体調を整えて、本格的な冬を迎えたいと思います。(2010,11,20掲載)

 

    

<蘋果雪梨痩肉湯 りんごと梨と豚肉のスープ>

材料(4人分):

豚赤身肉(大きめの一口大に切る) 600g
しょうが(薄切り) 1片
南北杏 15g
りんご(4つ割りし、皮と芯を取る) 2個
梨(4つ割りし、皮と芯を取る) 2個 
蜜棗 6個
水 3リットル
塩 適宜

 

作り方:

1.鍋に水(分量外)を入れ強火にかけ、沸騰したら豚赤身肉を入れ、アクが浮いて来たら、ゆで汁を捨て、肉を流水でよく洗う。
2.鍋に分量の水を入れ強火にかけ、沸騰したら、肉、しょうが、南北杏を入れ、弱火で1時間、煮る。
3.りんご、梨、蜜棗を加え、さらに2時間、煮込む。
4.塩で味を整え、碗によそって、できあがり。

 

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