雪菜とローストダックの汁ビーフン

Categories 香港味探検
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 ずいぶん昔に観た香港映画の『鶏同鴨講』。老舗の焼鴨屋の向かいに西洋式のフライドチキンの店ができ、客を取られた焼鴨屋の主人が店を盛り返すべく奮闘する、というドタバタコメディです。この映画の中に、ローストする前の鴨に秘伝のスパイスをすり込む場面があって、そのレシピを他人に知られないよう主人公が右往左往するのですが、「なるほど、ローストダックにはこんな工夫がされているのか」と感心しました。

 香港に住んでいるとローストダックを食べる機会がたくさんあります。塩気がきつかったり、皮や骨ばかりで肉が少ない鴨にあたると「この店はハズレかも」とがっかりしますが、たいていは、店ごとのスパイスの違いなどわからずに、どれもおいしく食べてしまう私は、味オンチなのでしょうか…。

 「鶏同鴨講」というのは香港でよく使われる四字熟語の一つで、直訳すると「鶏と鴨が話をする(けれど言葉が通じない)」、つまり「意思の疎通がとれない」という意味です。

 香港で鴨というとアヒルを指します。鳥インフルエンザのせいですっかり姿を消しましたが、以前は街市に行くと、ケージに入ったアヒルたちが、通りがかった私に無垢な目をしてガアガアと声をかけてくるのは切ないものでした。

 しかしそれはそれとして、ローストダックはおいしいですね。鶏肉よりも肉の味が濃く、脂が濃厚。甘酸っぱい梅ジャムを付けて食べるのですが、この組み合わせを考えた人のセンスに脱帽します。焼味舗(ロースト肉屋)やスーパーでも買えるので、手頃なおかずとして重宝しますが、小腹が空いた時のおやつ代わりにするのも、健啖家の多い香港ならでは。口の回りを脂で光らせながら、ぶつ切りのダックにかぶりつくおいしさといったら、こればかりは日本では味わえません。

 

 今回は、そのローストダックを使った汁ビーフンです。ここでは市販のスープストックを使いましたが、もし骨の部分があったら、それを水から煮込むと、おいしいスープがとれて、より本格的な味に。

 ダックの脂の味がしつこくなり過ぎないよう、雪菜(シュッチョイ)というからし菜の漬け物を入れるのが定番です。かなり塩辛いので必ず塩抜きしなければなりません。少量の塩を入れた水に30分以上浸けて、普通に食べられる程度の塩味になったら、水気をよく絞って使います。

 同じレシピで、スープを減らし汁気をビーフンに吸わせた料理もありますが、今の季節、とろみのついた熱々のスープと一緒に食べる方がおいしいと思います。(2009.12.13掲載)

 

<雪菜火鴨絲湯米粉 雪菜とローストダックの汁ビーフン>

材料(4人前):

ビーフン 300g
A市販のチキンスープストック  400cc
 水 1リットル
 しょうゆ 大さじ1
 こしょう 少々
 水溶きかたくり粉 少々
 ごま油 少々
ローストダック(肉と皮の部分を細切り) 150g
雪菜(みじん切り) 50g
もやし 120g
青、赤ピーマン(細切り) 各40g
黄ニラ(5センチ長さに切る) 20g
鶏粉(チキンパウダー) 小さじ1

 

作り方:

1.ビーフンを固めにゆでて、水気を切っておく。
2.Aを入れた鍋を強火にかけ、煮立ったら水溶きかたくり粉でとろみをつけ、ビーフンを加えて熱くなったら器に移す。
3.中華鍋(フライパン)にごま油を熱し、ローストダック、雪菜、もやし、ピーマンを炒め、鶏粉で味をつけ、火から下ろす寸前に黄ニラも加えて、火を止める。
4.炒めた具を2の上に乗せ、食べる前によく混ぜたら、できあがり。
*自作のスープストックを使う場合は、塩を少量足してください。

 

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