干し柿とにんじん、豚肉のスープ

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 柿。

 日本の秋を代表するくだもののひとつですが、実は世界の柿の産出量は中国が圧倒的に多く、ここ香港でも、柿はよく食べられています。ただし、香港人好みの食べ方はというと、半透明になるほどに完熟した柿を手で割って、汁がしたたる実にかぶりつく、というもの。私はどちらかというと、固くさっくりとした柿が好みなので、訪ねたお宅で、このとろとろ柿を出された時は、本当に参りました。頑張って頂きましたが、多分、涙目になっていたと思います。料理雑誌で、ストローを挿した柿の写真を見たこともあります。果肉をすすって飲むのでしょうか。私には想像を絶する食べ方です。

 恐怖の柿の季節がようやく過ぎ、今度は、果物屋の店先に、干し柿が並ぶようになりました。気をつけて見てみると、産地は、中国、台湾、韓国、日本、といろいろ。形もさまざまで、平たい円盤状のものと、細長いものがあります。前者は中国、台湾産で、後者は、韓国、日本産が多いようです。

 干し柿は、広東語で「柿餅(チーベン)」と言います。おそらく、その見た目からの命名でしょう。干し柿は各地で作られていますが、特に有名なのが、広西省桂林市恭城県産と、台湾の新竹県新埔鎮産のものだそうです。

 柿餅の食べ方は、基本的に「そのまま食べる」のですが、ある店で「スープに入れるのもお薦め」と言われ、作り方を教えてもらったのが、今回のスープです。

 

 

 柿餅入りのスープというと、干し柿の名産地・台湾新埔の「柿餅鶏湯(柿餅と骨付きの鶏もも肉を一緒に煮込んだスープ)」がとても有名で、個人的には、こちらもかなり気になるのですが、今回は香港風の方をご紹介します。

 香港では、干しいちじくや龍眼(ロンガン)、砂糖漬けのなつめなど、ドライフルーツをスープに加えるのは、ごく普通のこと。干し柿を入れても不思議ではありません。また、香港のにんじんは、フルーツスタンドで、生ジュースとして売られているほど、甘くおいしいものです。通常、スープには、甘みを加える副素材として加えることが多いのですが、今回は柿餅と共に主役扱い。甘いにんじんには柿に通じる風味を感じるので、両者の相性はぴったりだと思うのですが、いかがでしょうか。

 このスープには、身体の中をきれいにする働きがあると言われており、ビタミンAもたっぷりです。ただ、摂取過多になる量ではないと思いますが、妊娠中の方は控えた方がいいかもしれません。

 今回使った柿餅は、台湾産のもので、表面にびっしりと白い粉(糖分の結晶)が付き、いかにも甘くておいしそうでしたが、店の人に「洗ってから食べること」と言われたので、軽く水洗いしてから使っています。確かに、むき出しのまま店頭に積まれていたのでしかたがないのですが、もったいないですね。

 写真では具も一緒に盛りつけていますが、エキスが溶け出したスープだけを味わっていただいて構いません。りんごやパパイヤのスープのような華やかなフルーティさとは違う、素朴な甘さがじんわり広がる、滋味を感じさせるスープになりました。(2010.1.15掲載)

 

<柿餅紅蘿葡痩肉湯 干し柿とにんじん、豚肉のスープ>

材料(4人分):

豚赤身肉(痩肉/サウヨッ)(大きめの一口大に切る) 600g
柿餅(軽く水洗いしておく) 3個
にんじん(皮をむいて、大きめの乱切り) 500g
しょうが(薄切り) 1片
水 3リットル
塩 適宜

 

作り方:

1.鍋に水(分量外)を沸かし、豚赤身肉を入れ、煮立ってアクが出てきたら、肉を取り出し、流水でよく洗っておく。
2.再び鍋に水、しょうが、にんじん、豚肉を入れて強火にかけ、沸騰したら火を弱めの中火にして、1時間半煮る。
3.柿餅を加え、火を弱めて、1時間半煮る。塩で味を整え、できあがり。

 

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