干し鴨肉と大根の煮込み

Categories 香港味探検
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 この時期になると取り上げずにはいられない香港の食材が、臘味(ラーッメイ)。調味し乾燥させた加工肉の総称です。臘味の起源は古く、中国古代の周王朝(紀元前1046年頃から256年)の書物にも、すでにその名が記されているのだとか。主に目上の人に献上する品として用いられていたそうですが、現代の香港でも、臘味を化粧箱に入れ、正月のお年賀として贈る習慣は続いています。

 臘味は中国各地で作られており、種類も製法もさまざまですが、香港で主に食べられているのが、腸詰め、豚バラ肉、そして鴨の臘味。今回は、その鴨を取り上げます。

 臘味を売る乾物屋の店先にぶら下がっている、ぺったんこにプレスされた丸ごとの鴨が「臘鴨(ラーッアーッ)」、ももの部分だけのものを「臘鴨腿(ラーッアーットイ)」と言います。ずいぶん昔に一度食べたときは、固いし、塩辛いし、脂臭いし(今思えば、あまり良質でなかったのでしょう)、すっかり懲りて、以来、ずっと敬遠してきたのですが、先日の肌寒い日、近所の食堂のメニューで見た「暖笠笠、臘味飯(身体がホカホカ暖まる、臘味ご飯)」という文字に魅かれ、蒸した臘鴨を乗せたご飯を注文してみました。

 しかし…やはり、その塩辛いことといったら。一切れで、ご飯一杯食べられそうです。結局食べきることができず、 臘鴨だけテイクアウトすることに。

 最近我が家では、スープではなく、ただの湯で煮る火鍋を作ることが多いので、試しにその晩、その白湯の鍋に臘鴨を入れてみました。

 軽い思いつきでしたが、締めの麺を入れる頃には、湯に絶妙な塩味と臘味特有の芳香が溶け出していて、それはもう美味なるスープに変身していたのでびっくり。臘鴨は、肉として食べるよりも、ダシとして、調味料として使うと、素晴らしい威力を発揮することに気づきました。

 臘鴨は、開いた鴨にたっぷりと塩をすり込み、一晩おいた後、表面に酒を塗って、天日で数日間乾かして作ります。水分が抜けて、濃厚な鴨の肉の味はさらに凝縮され、熟成させたことでうまみも倍増。

 臘鴨は太っていて、肉厚のものがよいとされています。産地はいろいろですが、江西省の「南安板鴨」が最も良質と言われています。製品によって固さや塩加減にかなり差があり、今回、あちらこちらの店を見て回りましたが、結局購入したのは、真空パックされ冷蔵保存された、半乾燥の南安産の臘鴨。塩味が柔らかく、キッチンばさみでも切ることができたので調理が楽でしたが、固い場合は、大まかにばらした後、下ゆでに少し時間をかけ、柔らかくしてから小さく切るといいかもしれません。塩味も製品によってかなり異なるので、レシピにある分量や時間は、あくまで参考になさってください。塩気が足りなければ塩を足し、塩辛ければ、野菜を足すといいでしょう。

 淡白な味の野菜なら何でも合いますが、今なら旬の大根が一番です。煮汁は多めにして、大根に鴨のうまみをしっかり行き渡らせるように煮ます。煮汁ごとたっぷり白飯にかけて「湯飯(スープかけご飯)」にしても、おいしくいただけます。(2010.12.18掲載)

 

<臘鴨煲蘿白 干し鴨肉と大根の煮込み>

材料(4人分):

臘鴨 250g
大根(皮をむいて、大きめの一口大に切る) 600g
しょうが(薄切り) 1片
油 小さじ1
水 800cc
長ねぎ(5センチ長さに切る) 少々
白こしょう 少々
塩 適宜

 

作り方:

1.臘鴨は一口大に切り、たっぷりの湯(分量外)で、3分間ゆでた後、ざるにあけておく。
2.鍋に油を熱し、弱火でしょうがと臘鴨を炒め、鴨から脂が出てきたら、大根と水を加え、30分から45分、大根が柔らかくなるまで煮る。
3.煮汁の味を見て、必要なら塩で味を整え、長ねぎ、白こしょうを加え、火から下し、器に盛りつけ、できあがり。

 

 

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