色づけしょうゆ

 

 香港で使われている老抽(ロウチャウ)という濃いしょうゆ。そのトロリとした濃度や、甘い味から、ついつい「たまりしょうゆ」と言ってしまうのですが、やっぱり別ものですよね。色づけしょうゆ、という日本語が適当なのかどうかわかりませんが、他に名付けようがありません。

 日本には、しょうゆの色を料理に響かせないために、色を薄くし、塩分だけを強くした「薄口しょうゆ」というのがありますが、老抽はその正反対。しょうゆの色は濃くしたいけれど、味は塩からくしたくない、というときに使います。

 この老抽、我が家では、和風の煮物に重宝しています。
 いわゆる「こっくりとした」色に仕上げたいとき、この老抽をほんの少し、小さじ1/2程度加えると、あら不思議、しょうゆがよく染みた、おいしそうな煮物のできあがり~。

 以前買った老抽が少なくなったので、街市(市場)の調味料店に新しいものを買いに行きました。
 いろんなメーカーが老抽を出していますが、写真のこの老抽だけ高くて、他の倍以上。
「なんで、これだけこんなに高いの?」と店の人に尋ねたら、
「そりゃあYuan’sだもの!」

 そうでした。Yuan’sブランドを出している頣和園は、メイドイン香港の天然醸造しょうゆを売りにしている老舗。写真のこれは最高級品ではありませんが(それらは特定の店で売られている)、防腐剤、化学調味料無しの香港製、というだけで私的にはオッケーです。大瓶だと使い切れないので小瓶を買いました。
 家に残っている他のメーカーの老抽と味を比べてみると、Yuan’sの方が、うま味が複雑でコクがあります。ささやかな贅沢ですね。

 

 ところで、日本の「濃口しょうゆ」に相当するのが、生抽(サンチャウ)です。いろいろ試してみましたが、結局、我が家では、日本のメーカーの濃口しょうゆに落ち着きました。日本人にもファンの多い九龍醤園の生抽も試しましたが、色が濃く(ほとんど老抽!)、塩味も強くて、和食(特に刺身や寿司など)に使うのは難しそうだと断念。日本の濃口しょうゆなら、中国料理に使っても、風味に大きく影響することはないので、兼用できる日本のものを使っています。

 そういうわけで、私のレシピにでてくる生抽は日本の濃口しょうゆが基準です。九龍醤園の生抽をお使いの方は、量を少なめにしないと、やや塩からくなるかもしれません。

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