新界の桃酒

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 ぱっと見た時に、「南高梅がこんなところに!?」と思ったのですよ。

 まさかねえ。でも、奇特な香港人が、和歌山から移植したのかもしれないし?などとぐるぐる考えながら、ひとつ手に取って匂いをかぐと、桃のような甘~い、いい香り。

 私があんまり真剣に、くんくんしたり、前後左右から眺め回しているので、隣りで買いものをしていた香港人女性も興味を持ったらしく、やはり手にとって、眺め始めました。

「これ、どうやって食べるのかしらね」と尋ねてきたので、
「お酒に漬けるのよ」と答えたら、
「えっ、日本酒に!?」(←私が日本人だと一発で見抜いたらしい)、
「焼酎の方がいいわね。梅は生で食べちゃだめよ、毒だから」なんて会話をしていると、奥から店の人が登場して、「いや、それ、桃だし」。

 

 聞き間違えか? と思いましたが、店の人は、「皮をむいて、そのまま食べるんだよ」と、ジェスチャーまでして教えてくれます(やはり私が日本人だと見抜いたらしい)。

 この店は、街市(市場)の中にある小さな八百屋で、どうやら、主に自分の畑で穫れたものを売っているようです。野菜の種類はいろいろありますが、どれも量は少なくて、この梅or桃も小さなざるに、ひと盛りだけ。いかにも、家の庭で穫れたのを持って来ました、という感じ。

 そこまで言うなら、食べてみようじゃありませんか、と、あるだけ全部買って帰りました。

 

 家に着いて、水洗いしながら、ひと口かじってみると…。

 あらー、本当に桃だ。

 タネが大きくて、果肉はわずかしかありませんが、白色で、甘くて、みずみずしくて、水蜜桃と同じ味がします。お店のお兄さんよ、疑って申し訳なかった。

 しかし、こんな桃があるんですね。色も大きさも南高梅そっくりなのに、食べたら、桃。いったい、何という品種なのでしょうか。

 

 実は最後の最後まで、南高梅の可能性を信じていた私は、いそいそと保存瓶とウォッカまで買って帰って来たのでした。こうなったら、桃酒を作る他ないではないですか。

桃 500g
レモン(皮と白いワタの部分を取り除いたもの) 1/4個
氷砂糖 150g
ウォッカ 700cc

 基本的に、桃は丸ごと入れ、少し傷んでいるところがある桃は、そこだけ切り取って使いました。だって店にももう無い(?)貴重な桃ですからね。実を割ったり、皮をむいて漬ける桃酒レシピもあったので、果肉むきだしで入れても、たぶん、大丈夫でしょう。桃が甘いので、砂糖は控えめ。逆にほとんど酸味がないので、レモンを少しだけ足しました。


 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 

 ところで、ここに来て、(たぶん)自己解決です。桃の実について、引き続き、いろいろ調べていたら、花桃の実に姿・形がよく似ていることがわかりました。
 花桃は、花を鑑賞する目的で品種改良された桃で、実は食用に適さないものがほとんどですが、中には食べられるものもあるということ。もしかしたら、それではないかと思うのですが、どうでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

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