三陸産水煮さんまのおろし煮

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 近所の街市(市場)で買い物をしていたら、「三陸産」の文字が目に飛び込んできました。先日の「ほたて缶」に続き、こんな香港のはずれで三陸産とご対面。まるで、懐かしい知人に偶然出会ったみたいで嬉しくなり、思わず駆け寄って手に取りました。金華山沖からしりや沖で捕れたという、さんまの水煮缶詰です。

 

 もちろん買って帰り、製造元を調べると、岩手県釜石市が本社で、岩手県内の各地に工場があるようです。住所から察するに、おそらく今回の災害で、かなりの被害に遭われたのではないでしょうか。この会社のホームページのトップには、朝日が射し込む岩手の海辺の写真が使われていて、その清々とした美しさを見るほどに、胸が痛みます。

 

 缶には英語の表記もあるので、輸出用として作られているのでしょう。今まで私が気がつかなかっただけで、あんがい香港のあちらこちらで、売られているのかもしれません。

 

 さんま(秋刀魚/チャウドウユー)は香港人もよく知っている日本の魚です。しかし、香港では、さんまはBBQなどで焼いて食べることがほとんど。水煮缶はどうやって調理するのでしょうか。よくわからなかったので、今日は、たっぷりの大根おろしと一緒に煮て、ポン酢で食べることにしました。水煮になっても残っているさんまの脂を大根おろしが中和して、コクがあるのにさっぱりと、白いご飯がすすみます。おいしいさんまを、どうもありがとう。家族全員、ありがたく味わいました。

 

 

 大地震から1週間がたっても、なすすべもなく、募金をすることしかできないでいる私ですが、ひとつだけ、はっきりと悟ったことがあります。

 

 それは、安全な場所から発せられる言葉は、空しく響き、時には神経を逆なでする、ということ。

 

 相変わらず、夫の携帯には、香港人の友人知人からの、地震に関する電話やメールが入って来ます。海外からも来ます。

 香港を含め、海外のメディアはどこも、この災害そして原発の事故をセンセーショナルに報道しているので、「大丈夫か!?」「日本はどうなってしまうのか!?」という声ばかりです。なかには、原発の状況を逐一報告してくる電話もあって、それをまた、夫が私にいちいち伝えるものだから、ついには私、キレてしまいました。「それで私にどうしろというのだっ!!」

 

 みんなに悪意がないのはわかっています。みんなも、日本のことを、そして日本にいる私の家族や友人のことを心配してくれているんです。でも、「日本は本当に大丈夫なのか!?」と問われて、私は何と答えればいいのでしょうか。大丈夫だと信じていますよ。でも、厳しい状況を伝えるニュースばかりで、私だって、本当はすごくすごく心配なんです。

 

 香港にいる私でさえこんなに不安なのですから、日本で恐怖と戦っている人たちに、とてもじゃないけれど、「大丈夫!?」なんて聞けません。

 

 被災地や、原発事故の影響を受けるかもしれない地域に、私もたくさんの友人や知人がいます。でも、不用意なお見舞いの電話やメールはするまい、と心に誓いました。

 

 

 私の父は、今も東京で心静かに暮らしています。妹も、神奈川で、普通に生活しているようです。ふたりの冷静さに救われています。私も落ち着かなくては…。


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