鶏肉のやわらか蒸し

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 先日、日本の某テレビ番組を見ていたら、「大阪府民に欠かせないもの。それは中華調味料の『味覇ウェイパー』」と紹介していました。私は東京都民ですが、『味覇』の存在は知っています。でも『味覇』にいろいろな食べ方がある(番組で紹介していた)ことまでは知りませんでした。

 興味深く番組を見ながら、ふと、香港人に欠かせない調味料は何だろう? と思いました。

 それは多分、鶏粉(チキンパウダー/ガイファン)ではないでしょか。

 鶏粉は、日本で言う、ダシの素、顆粒コンソメのようなもので、万能うまみ調味料として家庭で重宝されているのはもちろん、レストランの厨房でも当たり前のように使われています。鶏肉のエキスが主成分で、クセがなく、どんな料理にも合うので、使い勝手がいいからでしょうか。成分表示をよく見ると、増味剤や調味剤なども入っているのですが、「味精(化学調味料)を使うよりはいいだろう」と思っている人は多いようです。最近ではメーカー側も、「うまみを生かして減塩できます。塩を使うより鶏粉を!」と健康路線で売ろうとする傾向もあり、鶏粉は、ますます香港人が手放せない調味料になってきました。

 なのに「香港人が普段食べている味」を紹介するこの場で、これまで鶏粉をほとんど取り上げてこなかったのは、私が個人的に、香港の食材は、日本に比べて素材の味(アクやえぐみも含めて)が強い、と常々思っていて、うまみ調味料に安易に頼らず、素材本来の持ち味だけで調理してみたい、というささやかなチャレンジ精神のようなものがあったからです。

 しかし鶏粉は、香港に欠かせない調味料の1つ。避けて通るのも不自然ですし、それならば、なるべく効果的な使い方を考えてみよう…ということで思いついたのが、今回のレシピです。

 「清蒸滑鶏」は、一品料理としてだけでなく、点心にしたり、ご飯に乗せて蒸したり、とさまざまな形で食べられている香港の人気メニューです。本来は鶏を丸ごと使うのですが、今回は手に入れやすく、家庭で作りやすい分量の、鶏もも肉と手羽中を使ってみました。外国産のブロイラーをどこまでおいしくできるか、うまみたっぷり鶏粉の腕の見せ所です。

 調理にもちょっとしたコツがあります。

 料理名にもあるように、滑らかに蒸し上げることが肝心なので、調味料を加える手順を厳守します。

 まずしっかりと下味を付けてから、かたくり粉で回りをコーティングし肉汁を逃さないようにします。最後に油を加えることで、口当たりはさらに滑らかに。この油は、肉同士がくっつくのを防ぐ働きもします。

 肉は、加熱しすぎると硬くなるので、中まで完全に火が通ったか通らないか程度で火を止め、ふたをしたまま蒸らし、余熱で火を通すようにします。

 肉に味を付けながら、これは何かに似ている、と思いました。そう、「素顔っぽく見せるために、下地作りを念入りに」という化粧テクニック。

 見かけは地味ですが、なかなか味わい深い一皿になっています。(2008.12)

 

<清蒸滑鶏 鶏肉のやわらか蒸し>

材料(4人前):

骨付き鶏もも肉(一口大のぶつ切り) 2本(約600g)
鶏手羽中(半分に切る) 2本
塩 小さじ1
鶏粉 小さじ1
A砂糖 小さじ1
こしょう 少々
しょうゆ 小さじ1/2
紹興酒 小さじ1
かたくり粉 大さじ2
サラダ油 大さじ1
しいたけ(いしづきを取って、2つに切る) 3枚
しょうが(せん切り) 2片

 

作り方:

1.鶏肉をボウルに入れ、塩と鶏粉をよくもみ込み、15~30分おく。
2.そこへAを順番に加えていく(そのつど、よく混ぜる)。最後にしいたけも加え、さっくり合わせる。
3.耐熱皿に2を広げ、蒸気の上がった蒸し器で10分蒸す。
4.ふたを取って、肉を裏返し、もしも火が通ってなければ、さらに3~5分蒸す。
5.鶏肉に火が通ったら、できあがり。

2 thoughts on “鶏肉のやわらか蒸し

  1. 加世 on

    先ほど作りました!手羽元しかなかったのですが・・・
    想像以上に美味しく それも簡単に出来て 感激のあまりメール致しました。
    これからもレシピのお品 作らせていただきますね。

  2. Noriko on

    加世様、コメントをどうもありがとうございました。美味しくでき上がって、よかったです。
    蒸し料理って、簡単にできて便利ですよね。我が家の食卓には、毎回、最低一品、蒸し料理がのぼります(笑)。

    他のレシピも試してみて下さいね。ご感想をお待ちしています。

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