クローブ入りホットレモンコーラ

Categories 香港味探検
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 「身体がだるい、頭も重い」と夫が言い出しました。最近仕事が忙しかったので、疲れがたまっているのでしょう。普段なら「じゃあ少し横になって休んだら?」と言って様子を見るだけにしておくのですが、今は時節柄、そういうわけにはいきません。ほおっておいて本格的に具合が悪くなったら大変です。たとえ普通の風邪でも熱が出たら新型インフルエンザを疑わなくてはならなくなるし、もしも子供にうつったら回りにも迷惑をかけてしまいます(うちの子のクラスは、3人病欠で学級閉鎖なのです)。

 夫もそのことは自覚していて、幸い熱もないし、「今のうちに治してしまおう。涼茶舗(漢方ドリンク店)に『感冒茶』を飲みに行くぞ!」と言うので、私もついて行きました。

 「感冒茶」を飲んでひと息ついた後、茶餐庁に入ったのですが、ここで思い出したのが「熱檸樂煲薑」。コーラにしょうがを入れて熱く熱した後、スライスレモンをたっぷり加えた、いわゆる「ホットレモンコーラ」で、茶餐庁の定番の飲み物の1つです(もしもメニューに載っていなくても、頼めば作ってくれます)。風邪の引き始めにはコレ、というのが香港人の常識です。

 起源はわかりません。もともと香港には、風邪の時に、しょうがを入れて煮立てたお茶(あるいは湯)にミネラル分の多い黒砂糖を加えたものを飲み、布団をかぶって寝て、たっぷりと汗をかいて治す、という民間療法がありました。その「黒糖入りしょうが茶」に見た目がよく似ているので「ホットレモンコーラ」が飲まれるようになった、という説があります。レモンを加えるのは、ビタミンC補給の意味があるようです。

 私が初めてこの「ホットレモンコーラ」を飲んだときの感想は、しょうがとレモンが意外とコーラに合うと思ったことと、すぐに身体がポカポカして汗が出てきたので驚いたことです。以来、友人知人にも薦めています。みな最初は半信半疑なのですが、飲むとすっかり病みつきになって、日本へ帰った後も、自分で作って飲んでいるそうです。

 ところで、今回入った茶餐庁の「ホットレモンコーラ」には、丁字(英語名はクローブ。中国語名は丁香)が入っていました。これは初めてです。インドのマサラティーを思わせるスパイシーな香りが漂い、一口飲むと、目が覚めるような心地よい刺激と共に、汗が噴き出してきました。丁字にも身体を温める働きがあるのだとか。これは通常の「ホットレモンコーラ」をさらにパワーアップさせた<強力版>と言えるかもしれません。

 我が家には自家製のジンジャーエールの素(しょうがのはちみつ漬け。丁字入り)があって、そちらも湯で割って飲んでみましたが、汗の出方が全然違いました。「ホットレモンコーラ」の方が数倍パワフルです。コーラに含まれるカフェインに発汗作用があるからでしょう。「ホットレモンコーラ」の由来を調べた際、香港人に「漢方薬と味が似ているから(だから効く)」と言われたときには「そりゃあんまり」と思いましたが、案外、全くのこじつけではなかったのかもしれません。

 この強力版「ホットレモンコーラ」を飲んだ夫は、汗をたっぷりかいたのがよかったのか、身体が楽になったと申しておりました。

 みなさまもどうぞご自愛ください。(2009.9)

 

*この年、新型インフルエンザが猛威をふるい、感染防止のため、香港政府は、7月の学年末を6月に切り上げる措置をとったことで、息子の通う日本人学校では一学期が始まって早々に夏休み、という異例の事態となりました。
 この原稿は、長い長い夏休みがようやく終わり、「また休校になったらどうしよう」と、不安でいっぱいの頃に書いたものです。その後、幸いインフルエンザは収束に向かい安堵しましたが、今年(2011年)も、新型インフルエンザ流行の兆しが…。どうか、悪夢再び、となりませんように…。

 

<熱丁薑檸樂 クローブ入りホットレモンコーラ>

材料(1杯分):

コーラ 200cc
しょうが(皮をむいて薄切り) 10g
丁字 5~6個
レモン(薄切り) 3~4枚

 

作り方:

1.小鍋にコーラとしょうが、丁字を入れ、中火にかける。
2.煮立ったら、レモンスライスを入れたグラス(カップ)に注いで、できあがり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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