しいたけとガチョウの水かきの煮込み

Categories 香港味探検
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 うちの夫の父はカナダに移民して20年以上。当地の生活にすっかり馴染んで、もはや「元・香港人」という感じですが、時々ふらっと香港に戻って来ます。というのも、無性に食べたくなるものがあるそうで…。

 それは、潮州料理の「鹵水鵝頭」という、ガチョウの頭をしょうゆ味のタレに浸けたもの。カナダは優秀な料理人が多く移民しているので、中国料理のレベルが高く、香港よりよほどおいしいものが食べられるのですが、「鴨はあるのにガチョウ料理が無い」と義父は嘆きます。ガチョウがカナダで飼養されていないはずはないと思うのですが、「無いものは無いんだ(怒)」と長年住む義父が言うのですから、とにかく香港ほど広く流通している食材ではないのでしょう。

 そういうわけで、義父が香港に滞在している間は、私もガチョウ料理を食べる機会が多くなります。ただしこの「鹵水鵝頭」は、2つに割ったガチョウの頭を脳みそごと食べる、というワイルドなもので、私は味見をする勇気さえなく、とても真似して作れる代物ではありません。そういうわけで、今回のレシピは、義父のもう1つの好物であるガチョウの水かき(鵝掌/オージョーン)の煮物に挑戦してみることにしました。

 水かき自体はほとんど味がないので、ダシがよく出る乾物と一緒に煮込みます。レストランでは、干しアワビやナマコと組み合わせて高級料理に仕立てていることが多く、水かきに富や好運をかき集めるイメージを重ねて、正月には「満掌金銭」や「如来神掌」などというおめでたい料理名に変えることもあります。

 水かきは冷凍品の場合が多く、街市(市場)の冷凍肉売り場や、大型スーパーの鶏肉コーナーで見つけることができます。買ってきたらよく水洗いし、爪の部分を切り落としてから、下ゆでします。レストランでは油で揚げてから煮込みますが(早く柔らかくなるので)、家庭ではゆでる方が簡単ですし、油が少なくてすみます。また、レストランでは、見た目をよくするために骨の一部を抜いていますが、素人には難しい作業なので、ここでは省きました。

 煮汁は多めに作っておくと調理中の焦げつきを防ぐことができ、また、いいダシがたっぷりと出ているので重宝します。一晩経つと、煮汁は水かきから出たゼラチン質で煮こごり状態になっているので、弱火で煮溶かし、試しにレタスを煮てみたところ、うま味をそっくり吸い込んで、これだけで立派な一品料理になりました。(2008.3)

 

<北菇炆鵝掌 しいたけとガチョウの水かきの煮込み>

材料(4人前):

ガチョウの水かき 12本
しょうが(叩きつぶす) 1かけ
干ししいたけ 12個
干し貝柱 10g
干しえび 5g
シャロット(薄切り) 40g
にんにく(薄切り) 1粒
しょうが(薄切り) 5g
Aチキンスープストック 約400cc
 乾物のもどし汁+水 約800cc(材料にかぶる程度の量)
 たまりしょうゆ(老抽/ロウチャウ) 大さじ1
 オイスターソース 大さじ1
 塩 小さじ1/2
 砂糖 大さじ1/2
水溶きかたくり粉、油 少々
好みの青菜(塩ゆでしたもの) 適量

 

作り方:

1.ガチョウの水かきは、爪の部分を切り落とし、たっぷりの湯にしょうがと共に入れ、3分間ゆでてから、よく水洗いしておく。
2.干ししいたけ、干し貝柱、干しえびはそれぞれ柔らかくなるまで、ぬるま湯にひたしておく(もどした汁はとっておく)。
3.鍋に油を熱し、シャロット、にんにく、しょうが、干しえびを入れて炒め、いい香りがしてきたら、ガチョウ、干ししいたけ、干し貝柱、Aを加えて、ふたをし、弱火で2時間煮込む。
4.ガチョウとしいたけが柔らかくなったら、煮汁に水溶きかたくり粉でとろみをつけ、青菜と共に、皿に盛りつけ、できあがり。

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