蒸し魚

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 香港のお正月の食卓には、魚を丸ごと蒸した料理が欠かせません。魚(ユー)の発音が余(ユー)と同じことから「年年有余」(年ごとにゆとりがでる)、そして尾頭つきは「好頭好尾」、新年に縁起を担ぐのは日本も香港も同じです。

 蒸し魚は祝いの席に限らず、普段からよく食べられています。簡単なわりに見栄えがするからでしょうか。蒸している間は放っておけるので、我が家では煮魚や焼き魚の出番が全くなくなってしまいました。

 問題は魚選びで、店頭には見たことのない魚がずらりと並んでいます。うちでは「安くておいしい」と桂花魚(グァイファーユー/ハタの一種)の登場が一番多いのですが、見知らぬ魚をあれこれ試してみるのも楽しいものです。

 蒸し器はせいろをお薦めします。かさばるから、と以前は敬遠していたのですが、使ってみると勝手がよく、蒸し物や温め直しが一度にできるので手放せなくなりました。家庭では、内側の直径が9インチ(約23センチ)のもの、それが二段あれば十分だと思います。

 蒸し魚のこつは、新鮮な魚を選ぶこと。そして、十分に蒸気の上がった蒸し器に入れ、うまみが逃げないよう一気に蒸すこと。蒸し皿と魚の間にねぎの根の部分を敷いてすき間を作り、蒸気が魚全体に回るようにするのもポイントです。大きな魚を蒸す場合は、背骨に添って包丁目を入れて、火を通り易くします。

 今回は最もポピュラーな、ねぎとしょうがを使った蒸し魚を紹介しますが、しょうがの代わりに陳皮(チャンペイ/みかんの干した皮)を使う方法もあります。陳皮は水につけて柔らかくし、内側の白い部分を包丁でこそげ取ってせん切りにして使います。
 うちの叔母がこの陳皮風味の蒸し魚を得意とするので尋ねたら、「どんな魚でもいいけどね、泥猛(ナイマーン)は必ず陳皮を使うのよ。しょうがはだめよ」と念を押されました。泥猛とは日本でいうアイゴ(藍子)で、香港では一般的な魚らしいのですが、私はアイゴ自体食べたことがなく、本で調べてみたら確かに「しょうがを使うと身が泥臭くなり、ぱさぱさになる」と書いてありました。蒸し魚、簡単だけれどなかなか奥が深いなあ、と感心した次第です。(2001.1.20)

*ずいぶん前に書いた記事です。この頃は、中国料理で蒸し料理といえばせいろ、だと信じて、律儀に使っておりました。
 確かに使い勝手は悪くないので今でも持っていますが、最近は、もっと簡単に、「蒸架」という、蒸し台を使っています。ステンレス製の円形のケーキクーラーのようなもので、ケーキクーラーより小さく、足が長いものです。どの生活用品店でも売っている、香港ではごく普通の調理器具です。
 水を張った鍋とふたと「蒸架」があれば大抵の蒸し料理ができてしまうので、鍋の種類に合わせて、大きさの異なる「蒸架」をいくつか用意しています。

<清蒸鮮魚 蒸し魚>

材料(4人前):

魚(うろこと内臓を取り除いたもの) 1匹
しょうが 1かけ(薄切り2、3枚、残りはせん切り)
ねぎ 適宜(せん切り。根に近い部分はそのまま)
香菜 適宜(粗くきざむ)
こしょう 少々
ピーナッツ油 大さじ1
A生抽(サーンチャウ/濃口しょうゆ) 大さじ1
 老抽(ロウチャウ/たまりしょうゆ) 大さじ1
 魚露(ユーロウ/魚醤) 大さじ1
 砂糖 小さじ1/2

作り方:

1.魚はよく洗い、ペーパータオルで水気をよくふき取っておく。
2.皿にねぎの根に近い部分を置き、魚を乗せ、その上にしょうがの薄切りを乗せて、蒸気の上がった蒸し器で、約10分蒸す。
3.その間にAを混ぜてタレを作っておく。野菜類も混ぜておく。
4.魚が蒸し上がったら、しょうがを取り除き、こしょうを振りかけ、香味野菜を乗せ、熱く熱したピーナッツ油を全体にかける。その上からAのタレをかけて、でき上がり。
*身にはしを刺してすっと通れば火が通っています。


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