オックステールの赤ワイン土鍋煮込み

Categories 香港味探検
0
Tags


 気温が10度しかなかった夜、家族で広東料理のレストランへ行きました。こんな寒い日は、どうしても「煲仔菜」のメニューに目が行ってしまいます。「煲仔菜」は小さな土鍋に入った煮込み料理で、実際には別の鍋で調理した料理を、熱くした土鍋に移しただけの場合が多いのですが、ふたを開けた瞬間に立ち上る湯気や、煮汁が焼けるジュウジュウという音のおかげで、皿に盛られているよりも格段においしそう。短い香港の冬のご馳走です。

 この日、いくつか頼んだ「煲仔菜」の中でも特に印象に残ったのが、オックステール(牛尾/アウメイ)を赤ワイン入りのトマトソースで煮込んだ「紅酒牛尾煲」。いわゆる「紅酒炆牛尾」のことで、これは冬限定の料理ではありませんが、「牛尾煲」に姿を変えてグツグツと煮立った状態で出てくると、おいしさが違います。

 言うまでもなく、この料理は伝統的な広東料理ではありません。長らく西洋文化に慣れ親しんできた香港ならではの料理とも言えますし、ワイン煮という点で、マカオのポルトガル料理の影響もあるのかもしれません。いずれにしても、広東料理というよりは香港料理で、レストランだけでなく茶餐庁でも見かけることのある、案外庶民的な料理です。

 さて、今回食べた「紅酒牛尾煲」は、わざわざガーリックトーストが添えてありましたが、ソースを白いご飯の上にかけてもおいしく、日本の洋食を思わせる、どこか懐かしい味です。

 赤ワイン煮といっても味のベースはトマトで、香港では、トマトペースト(茄膏/ケーゴウ)を調理によく利用します。トマトの酸味と甘味が凝縮していて、少量で濃厚なトマト味になります。ケチャップよりも用途が広く、また水煮缶詰めよりも手早くて便利なのですが、トマトペーストは痛みやすいのが難点で、冷蔵庫に入れても一週間もちません。なので残りは、ジッパー付きの保存用ビニール袋に入れ、薄く伸ばして密封、冷凍庫に入れて保存します。必要な時に必要な分だけ折って使えるので便利です。

 今回は圧力鍋を使って短時間で仕上げてしまいましたが、普通の鍋で煮込む場合は、2時間以上かかるので、水を多めに入れます。

 また、煮込んでいる最中に、オックステールから大量の脂肪が出てくるので、できれば一晩置いて、翌朝、表面に固まった脂を取り除いてから調理を続けると、すっきりした味に仕上がります。(2008.1)

 

<紅酒牛尾煲 オックステールの赤ワイン土鍋煮込み>

材料(4~5人分):

オックステール 1kg
Aにんにく(叩きつぶす) 1粒
 シャロット(干葱頭/ゴンチョンタウ)(薄切り) 2個分
 セロリ(薄切り) 50g
B赤ワイン 200cc
 スープストック 200cc
 水 500cc
 氷砂糖(冰糖/ビントン) 30g
 塩 小さじ1
 トマトペースト 大さじ2
玉ねぎ(3センチ角に切る) 1/2個
ピーマン(3センチ角に切る) 1/2個
トマト(くし切り) 1個
水溶きかたくり粉 少々
油 少々

 

作り方:

1.オックステールを水(分量外)からゆで、アクが浮いてきたらゆでこぼして、流水でよく洗う。
2.圧力鍋に油を熱し、Aを炒めていい香りがしてきたら、オックステールとBを加えて、氷砂糖が溶けるまで中火で温める。
3.いったん火を止め、圧力鍋のふたをセットして再び中火にかけ、錘が回り始めたら弱火にして30分間加熱し、火を止めて10分間置いた後、蒸気を抜いてふたをはずす(この後、一晩置くとよい)。
4.玉ねぎ、ピーマン、トマトを加え、中火で一煮立ちさせたら、水溶きかたくり粉でとろみをつける。
5.土鍋に移し、煮立ったら火から下ろして、できあがり。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>