タピオカ入り焼きプディング

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 先日、ある広東料理のレストランで、「焗西米布甸」を食後のデザートに薦められました。「焗西米布甸」といえば冬の食べものだと思っていたのですが、一年を通してこの店の人気メニューなのだそう。試してみることにしました。

 ここの「焗西米布甸」は、一人用のココットではなく、大きなお皿に入っていて、皆で取り分けるスタイル。冷房が効いていたせいか熱さも気にならず、むしろ、こってりと甘く温かいデザートは食後の満足感も大きくて、たまには、こんなボリュームのあるデザートで中華を締めるのも悪くないかも、と思いました。

 このプディングの中には、よくあるハスの実あんではなく、栗のあんが入っていました。ハスの実あんは手に入りにくいのですが、栗あんなら、スーパーの製菓コーナーやジャム売り場にあるマロンペーストで代用できます。

 カスタード味のタピオカプディングというのは、実はイギリスやアメリカ、イタリアなどにも昔からあり、それにハスの実あんを合わせたところが、いかにも香港的です。欧米では冷たくして食べることが多いようですが、香港ではオーブンで焼いて表面を焦がし、カスタードの香りを際立たせたあたり、創作者のセンスを感じます。

 この甘い香りは、吉士粉(カッシーファン)というカスタードパウダー、卵色の色素と甘い香料が入ったでんぷん粉の香りです。水か牛乳、砂糖を加えて加熱するとカスタードクリームになる便利な粉で、卵アレルギーの人でも大丈夫。香港では、吉士粉を甘い点心に使うのはもちろん、揚げものの衣に少量加えて、塩味の奥からほんのりと甘い香りを漂わせるような使い方もします。今回のレシピでは、卵や牛乳、バターをしっかり使っているので、必ずしも吉士粉の助けは必要ないのですが、この、ちょっと人工的な甘い香りがあってこそ「焗西米布甸」ではないかと思いました。特に今回はマロンペーストを使っているので、「洋菓子」になり過ぎないよう、少しジャンクな風味が欲しかったのです。

 最後に、もしハスの実あんが手に入った場合のコツをひとつ。

 マロンペーストのような柔らかいあんなら、プディング生地の上に直接落として伸ばすことができますが、ハスの実あんは硬いので、アルミホイル(またはオーブンシート)に薄く油を塗り、器の大きさに合わせてあんを薄く伸ばしてから、それを逆さにしてプディング生地の入った器に落とすと、うまく収まります。(2008.7掲載)

 

<焗西米布甸 タピオカ入り焼きプディング>

材料(5~6人分):

タピオカ(乾燥したもの) 75g
Aコーンスターチ 30g
 カスタードパウダー 30g
 牛乳 500cc
 卵 2個
 砂糖 50g
 バター 50g
ココナッツミルク 50cc
マロンペースト 100g

 

作り方:

1.なべに湯を沸かし、沸騰したらタピオカを入れて中火で3分間ゆで、ふたをして火を止め、そのま15分置く。ざるにあけて、冷水をかけながら冷ます。もしもまだ白い芯が残っていたら、もう一回、ゆでる→蒸らす→冷ます、を繰り返す。
2.ボウルにAを入れ(卵を大さじ1ほど、取っておく)、よく混ぜた後、こし器でこしながら、なべに移して中火にかける。
3.砂糖とバターを加え、煮立ってきたら火を弱めて、木べらでかき混ぜながら、ぽってりとしたクリーム状になるまで、しっかり火を通す。
4.タピオカとココナッツミルクを入れ、よく混ざったら火を消す。
5.耐熱皿に4を半量敷き、その上にマロンペーストを伸ばして、さらに残りの4をかぶせる。
6.表面に取っておいた卵液を薄く塗り、湯をはった天板に耐熱皿を入れて、220度に熱しておいたオーブンで15分焼いたら、でき上がり。

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