蒸し卵

Categories 香港味探検
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 先日、銅鑼湾(コーズウェイベイ)を歩いていたら、何やら手渡されました。見ると、グレープシードオイルとキャノーラ油をミックスした食用油の試供品です。ついに香港にもグレープシードオイルが来たのですね。

 グレープシードオイルは、すでに日本では、身体によい油として注目されているオイルです。その名の通り、ぶどうの種子が原料で、クセが無いため、どんな料理にもよく合います。

 グレープシードオイルには、抗酸化作用があるビタミンEとポリフェノール類が多く含まれているため、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、がんや心臓病などの原因となる活性酸素を抑える働きがあります。身体によい油と言われるのはそのためです。また、沸点(引火点)が非常に高いため、調理中に煙が出にくく、油煙に悩む香港の家庭にはぴったりと言えるでしょう。

 ただし、グレープシードオイルの唯一にして最大の欠点が、リノール酸も多く含むということ。リノール酸は、かつて、コレステロール値を下げるとしてもてはやされましたが、その後の研究で、善玉コレステロールまで減らしてしまうことがわかりました。またリノール酸は酸化が早いのも欠点です。

 このように、グレープシードオイルには、相反する成分が共存しており、調べれば調べるほど、私も混乱してしまいました。

 すなわち、ビタミンEの含有量が多いから酸化(加熱)に強い、という説と、リノール酸の含有量が多いから酸化(加熱)に弱い、という二説があるのです。中国料理は高温で調理するので、加熱に弱いのは困ります。

 おそらく今後研究が進んで、グレープシードオイルの正しい使い方がもっと明らかになってくると思うのですが、とりあえず、現時点での賢い使い方としては、悪玉コレステロールだけを減らし、酸化にも強いオレイン酸を多く含む油と合わせて使う、という方法です。それがオリーブオイルとキャノーラ油。これから香港で売り出されるのがグレープシードオイルとキャノーラ油の混合油というのは、大変理にかなっているわけです。

 ならばオリーブオイルかキャノーラ油だけを使えばいいのでは、とも思いますが、オリーブオイルは風味が中国料理に合わせにくいことと、実を圧搾して油を採るため、栽培時に使われた農薬が残留しやすいこと、キャノーラ油は品種改良に伴い遺伝子組み換えされたものが多い、など、やはり「完ぺき」な油とは言えません。

 香港でポピュラーなピーナッツ油は熱に強いので、風味がお好きな方はこちらもいいかもしれません。コーン油はリノール酸が多いので、私はほとんど使っていません。

 我が家では、現在オリーブオイルとキャノーラ油の混合を使っているのですが、次はグレープシードとキャノーラの混合油を試してみようと思っています。

 中国料理では、油を調味料として使うことがよくあります。今回のレシピは、そんな油の味がよくわかる究極の一品、ご飯に乗せて食べるとおいしい、香港式卵がけご飯をご紹介しましょう。少量の油を加えただけで、水で薄めただけの卵に複雑なコクとうまみが広がるのは、驚くばかりです。実験するつもりで、ぜひ試してみてください。(2009.7)

*もう一皿何か欲しいなあ、という時や、今日のおかずじゃ、子供がご飯を食べてくれないだろうなあ、という時に、助っ人として活躍してくれるのが、この料理です。我が家では、かなりの頻度で登場します。他のどんなおかずとも相性がいいので、本当に助かります。 肝心なことは、必ず、水、を使うこと。ダシやスープだなんて色気を出してはいけません。

<蒸水蛋 蒸し卵>

材料(2人分):

卵 1個
水 卵の1.2倍量
湯 大さじ1
油 小さじ2
しょうゆ 少々

作り方:

1.卵を計量カップに割り入れ、水を加えよく混ぜたら、湯を加え、さらによく混ぜる。
2.卵液を皿に移し、蒸気の上がった蒸し器に入れ、中火で約3分蒸す。
3.小鍋を強火にかけ、油を入れて熱く熱したら、蒸し上がった卵の上にかける。その上からしょうゆをかけて、できあがり。
*皿の素材や形状によって火の通り方が異なるので、お手持ちの皿に合わせて、時間を調節してください。

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