トウチ風味の鯪魚の缶詰と油麦菜の炒めもの

Categories 香港味探検
0
Tags ,

 

 香港では一年中、様々な青菜が豊富に出回っていますが、やはり出盛りの一番おいしい旬の野菜を食べたいものです。今日ご紹介する油麦菜(ヤウマッチョイ)は、6月から9月が最盛期、今が食べどきの青菜の1つです。

 油麦菜が香港の街市やスーパーに並ぶようになったのは7、8年くらい前からでしょうか。北京や上海でもよく食べられているようで、発祥はそちらの方なのか、それとも同時期に全国的に広まったのかはわかりません。英語名も日本語名も見当たらない新しい野菜ですが、あっという間に香港人に受け入れられ、今ではどの野菜売り場でも油麦菜を見かけます。これだけ急速に浸透したのは、ひとえに油麦菜がおいしいからに他なりません。口当たりは柔らかいのに、噛むとシャキシャキとした歯触りが爽快で、苦味やえぐみも無く、さっと茹でてオイスターソースをかけてもよし、ニンニクと一緒に炒めてもよし、火鍋(香港式しゃぶしゃぶ)に入れてもよし…と、香港人が好きな青菜の食べ方全てに適しています。

 そして油麦菜の一番の特徴は、その名にもあるように、麦の香りがすること。「麦茶の味がする」と言う人もいます。残念ながら、私はそこまで麦香の強い油麦菜に出会ったことがないのですが(産地が違うのでしょうか)、確かに青臭さの奥に、そこはかとなく香ばしい風味を感じます。

 そんな油麦菜の個性を味わうのなら、茹でるか、あっさりと塩味で炒めればいいのですが、せっかくですから今回はちょっと変わった油麦菜のレシピをご紹介しましょう。

 これは一時期、中国全土で大流行した料理で、豆豉(トウチ)で味付けした鯪魚(レンユー)という川魚の缶詰と油麦菜を一緒に炒めたもの。仲良しの香港人の奥さんがこの料理が好きで、自宅を訪ねた時に、「野趣があっておもしろいでしょう」と作ってくれたことがありました。

 この「豆豉鯪魚」缶詰は、日本でいう「さんまの蒲焼き」缶詰みたいなもので、香港人にとってはごくなじみの深いもの。缶を開けて、そのまま白いご飯と一緒に食べたりするそうですが、今回のレシピのようにひと手間かけた方がおいしいのは言うまでもありません。手間といっても、調味料(トウチ)も油も入っているので、本当にあっけないほど簡単に出来てしまいます。

 鯪魚は切り身の形で缶に入っているので、その形を生かしたまま炒める方法もあるようですが、あえて魚の身を崩して、油麦菜全体にからまるように炒めた方が、味がなじんでおいしいように思います。

 本当に気取らない家庭料理ですが、たまにはこんな目先の変わった料理もいかがでしょうか。(2006.7.8)

 

<豆豉鯪魚油麦菜 トウチ風味の鯪魚の缶詰と油麦菜の炒めもの>

材料(4人分):

油麦菜 600g
「豆豉鯪魚」缶詰 1缶(184g入り)
しょうが(みじん切り) 5g
にんにく(みじん切り) 20g
生の赤とうがらし(大型もの。種を取ってせん切り) 1本

 

作り方:

1.油麦菜は水でよく洗った後、半分に切っておく。
2.中華なべを熱し、「豆豉鯪魚」缶詰の中身を入れ、魚をへらで細かくほぐしながら炒め、しょうが、にんにく、赤とうがらしも加えて炒める。
3.水気を切った油麦菜を加えてさらに炒め、全体にしんなりしたら、火を止めて、皿に盛りつけ、できあがり。
*もし味が薄ければ、塩を加えてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>