四川風牛肉の激辛スープ煮

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 もともと香港の春から初夏にかけては雨の多い時期ですが、それにしても今年は雨が続いて、うっとうしいですね。香港人の知り合いに会うと、皆、口を揃えて「好焗~」とうんざりした顔をします。

 「焗(ゴッ)」は、調理用語では「蒸し焼き」の意味ですが、この場合は、「風通しが悪く、ムシムシして息苦しい感じ」を意味し、うちの夫も同様なことを訴えるので、四川料理の「水煮牛肉」を作ってみました。

 陳健一氏の本に「四川は湿度が高く、晴れた日も少ないので、辛いものを食べて汗をかかないと、新陳代謝が悪くなって病気になってしまう」と、四川料理が辛い理由が書かれていたことを思い出したので、「焗」な香港でも効くかな、と試してみたのですが、これが大正解。汗をダラダラ流しながら食べているうちに、身体がどんどん軽くなって気分は爽快です。

 私が初めてこの料理を食べたのは、湾仔(ワンチャイ)にある、日本人の間でも有名な四川料理の私房菜(プライベートキッチン)で(この店では「牛肉」ではなく「魚片」でしたが)、赤とうがらしと花椒(ファージウ/中国山椒)が一面に浮いた真っ赤なスープにまず驚かされ、具をすくうおたまが「穴あき」であることに二度びっくり。どうやら「辛過ぎるのでスープはすくわない方がよろし」という配慮のようです。

 「水煮牛肉」はもともと、四川省自貢市という塩の産地で生まれた料理で、塩田で使っていた牛が働けなくなると、屠殺して労働者たちに食べさせていたのが始まりと言われています。最初は文字通り塩水で煮ただけでしたが、それでは美味しくないので、香辛料を加え、現在の形に至ったようです。

 スープの上に花椒の香りが移った油がたっぷり浮いていますが、基本的にスープは口に入れない(というか、辛くて入れられない)し、牛肉も赤身の部分を使っているので、見た目ほどしつこい料理ではありません。豆もやしを合わせるのがお約束ですが、唐生菜(トンサンチョイ/中国レタス)もよく合います。ただし、レタスには辛いスープと油がよくからむので、口に入れたときの辛さは半端ではありません。

 今回のレシピは、あまり激辛が得意でない私たち夫婦が、「辛い辛い」とヒーヒー言いながらも、スープのうま味を舌で感じられる程度の余裕は残してあります。激辛好きな人にはやや物足りないかもしれませんので、とうがらしや花椒を増やしてみてください。特に花椒は四川料理の要。唇がしびれる辛さを堪能できます。(2008.6)

 

<水煮牛肉 四川風牛肉の激辛スープ煮>

材料(4人分):

牛赤身肉(固まり) 300g
A塩、砂糖、しょうゆ 各小さじ1/2
紹興酒 大さじ1
水 大さじ4
重曹(ベーキングソーダ) 小さじ1/2
かたくり粉 大さじ2
油 小さじ1
豆もやし 100g
はるさめ 20g
トウバンジャン 大さじ1
赤とうがらし(乾燥したもの) 20g
にんにく(みじん切り) 大さじ1
Bチキンスープストック 300cc
水 200cc
紹興酒 大さじ1
しょうゆ 小さじ1
油 80cc
花椒 大さじ2
長ねぎ(小口切り) 少々

 

作り方:

1.牛赤身肉は薄切りにし、Aを混ぜて30分置いたら、かたくり粉と油を混ぜ、熱湯で表面の色が変わるまでゆでて、水気を切っておく。
2.豆もやしは熱湯で5分ゆで、はるさめは熱湯に浸し、柔らかくしておく。
3.中華鍋に油少々を熱し、強火でトウバンジャン、赤とうがらし、にんにくを炒め、いい香りがしてきたら、Bを加える。
4.小鍋に油と花椒を入れて、弱火にかける。
5.中華鍋のスープが煮立ったら、牛肉、豆もやし、はるさめを入れてひと煮立ちさせ、スープごと器にあける。
6.小鍋の花椒油を強火で熱く熱し、5の器に注いで、上に長ねぎを散らして、できあがり。

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