凱施餅店の「マンゴーロールケーキ」

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 チーズケーキやポルトガル風エッグタルトなど、これまでも大ブームが起きた香港のデザート界では、ただ今、ロールケーキが大流行中。おそらく、日本でのロールケーキ人気が香港にも飛び火したのでしょう。専門店もでき、おいしいロールケーキが食べられるようになりました。

 もともと、香港では、ロールケーキは「瑞士巻(スイスロール)」と呼ばれて、昔からなじみのあるケーキの1つ。香港でいつから「瑞士巻」が食べられるようになったのかは判りませんが、1842年からイギリス領だった香港ですから、かなり早い時期から洋風の食べ物が入っていたのではないでしょうか。

 日本でもスイスロールと呼ばれるケーキはあって、私が子供の頃、スイスロールは、スーパーの棚に菓子パンと並べて売られており、ケーキ屋のガラスケースに陳列されているケーキとは異なる、庶民的なおやつでした。なので、今、スイスロール、もとい、ロールケーキが高級ケーキの仲間入りをしているのは、ちょっと不思議な気がします。

 もちろん、ケーキがおいしくなるのは大歓迎、ましてや、長い間、おいしいケーキが食べられなかった香港で、競うように新しいロールケーキが登場しているのは、香港のケーキ全体がレベルアップする、またとない好機といえます。

 でも、そんな状況を嬉しく思う一方で、やっぱりロールケーキひと切れが、何十ドルもするのは、なんだかなぁ、どんなに凝ったって、要するにクリームを巻いたカステラなわけで、こういうシンプルなお菓子は、いわゆるハレの「デザート」でなく、あくまでも「おやつ」という位置づけが似合うのでは…と、漠然と感じていました。

 その思いは、先日、友人宅で、このケーキを食べたときに、はっきりしました。

 友達は、これがローカルのパン屋で買ったケーキだったからでしょうか、やや謙遜気味に出してくれたのですが、とんでもない。スポンジはしっとり、クリームも、香港でよくある舌にべったり残るタイプではなく、口の中でふわっと溶けていきます。マンゴーの酸味が甘さを抑え、軽くていくらでも食べられそう。なかなかの美味ではないですか。

 一本丸ごとのお値段が、専門店のケーキひと切れより安いのも、庶民のおやつにふさわしく、「そうそう、ロールケーキはこうでなくっちゃ」と思いました。

 至高のロールケーキを求める人からは合格点をもらえないかもしれません。でも私にはこれで充分です。ニコニコしながら、おいしくいただきました。


芒果巻(一本20ドル)

凱施餅店 *ケーキとパンのチェーン店で、香港各地にあります

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