鶏もも肉の塩蒸し焼き

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 先日、焼味舗(ロースト肉を出す食堂)に入ったら、おなじみのチャーシューや蒸し鶏と並んで、ちょっと珍しいメニューを見つけました。「鹽焗鶏飯」というものです。見た目は「白切鶏飯(蒸し鶏ごはん)」とよく似ていますが、「白切鶏」が、冷たくて、脂が抜けてさっぱりとしているのに対し、「鹽焗鶏」は温かく、鶏の脂が残っていて、口の中でとろけるようなおいしさです。

 「鹽焗鶏」と銘打った料理には、塩で蒸し焼きにするもの、塩水でゆでるもの、蒸すもの、いろいろな調理法があるようですが、もとをたどれば「東江鹽焗鶏」という客家料理です。

 広東料理には、3つの系統があります。

 1つは、香港で一番ポピュラーな広州料理。素材の味を生かした、比較的さっぱりとした味つけが特徴です。

 それから、広東省の北東に位置する潮州を中心に発展した潮州料理。独自の調味料や食材を使った独特な料理です。

 そして、広東省の東部で、珠江の支流の1つである東江一帯で生まれた東江料理。ここは、「客家」という、昔、華北から移住してきた人々が多く集まっている地域でもあるので、客家料理とも呼ばれます。客家料理は、やや油っこく、塩が効いているのが特徴なのだとか。

 その東江の製塩業の人々が考案して有名になったのが「東江鹽焗鶏」で、300年以上も昔のことだと言われています。

 鶏を丸ごと一羽、しばらく吊るして風にさらし、余計な水分を飛ばしてから、調味料をすり込み、紙に包みます。中華なべにたっぷりの粗塩を入れ、高温になるまで煎ったら、そこに鶏をすっぽりと埋め込み、ふたをして、弱火で、鶏に火が通るまで蒸し焼きにします。

 これが基本的な作り方ですが、家庭では、丸鶏がすっぽり隠れるほどの大量の塩と、それが入る中華なべを用意するのは大変なので、今回は、鶏のももの部分だけを使った作り方を紹介しましょう。紙は市販のクッキングシートを使います。

 塩は、できるだけ粒の大きい天然の粗塩(ミルで挽きながら使うタイプ)を選んでください。塩がパチパチと音を出してはぜ、薄い煙が立ち上り、塩の色が茶色に変わり始めるまで熱します。非常に高温になっているので、火傷に注意しましょう。

 でき上がった鶏は、肉汁も脂もたっぷりでとてもジューシー。紙を通して薄く塩味がついているのでそのままでもおいしいのですが、沙薑粉(サーギョンファン)というショウガ科のスパイスで作ったタレがよく合います。

 この塩は何度も使えますので、卵や殻付きエビなどでも試してみてください。(2007.10)

 

<鹽焗鶏腿 鶏もも肉の塩蒸し焼き>

材料(2人前):

骨付き鶏もも肉 2本(1本約200g)
しょうがの絞り汁 小さじ1
ごま油 小さじ1/2
A粗塩 1~1.2kg
 八角(スターアニス) 4かけ
 花椒(中国山椒) 大さじ1
 桂皮(シナモン) 1かけ
沙薑粉 小さじ1
塩 小さじ2
サラダ油 大さじ1
長ねぎ(せん切り) 少々

 

作り方:

1.骨付き鶏もも肉は、よく水気をふき取ってから、しょうが汁とごま油をすり込み、クッキングシートでぴっちり包む。
2.中華なべに、Aを入れ強火にかけ、塩が高温になるまで、よく煎る。
3.熱くなった粗塩の上に鶏肉を置き、さらに、鶏肉が完全に隠れるまで上から粗塩をかぶせたら、ふたをし、弱火にして20分蒸し焼きにする。
4.小皿に沙薑粉と塩を入れ、熱く熱したサラダ油を加えてよく混ぜ、タレを作る。
5.鶏肉の紙をはずし、食べやすい大きさに切ったら(粗熱を取ってからの方が切りやすい)、長ねぎを散らし、タレを添えて、できあがり。

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