揚げ魚の甘酢あんかけ

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 昔ながらの商店街の中には、醤油や調味料を量り売りしている店があり、そういう所では、紅しょうがや甘酢しょうが、らっきょうなどの漬物も売っています。今回は、そうした甘酢漬け野菜を主役にした、夏にぴったりの食欲をそそるひと皿をご紹介しましょう。

 「五柳」という字が入った料理名を時々見かけます。

 昔、唐の時代の詩人・杜甫が四川で暮らしていた時に、訪ねてきた友人たちに魚料理を振る舞いました。魚の上に散らした、四川名産のパプリカやねぎ、しょうがのせん切りが「『五顔六色(色とりどり)』で美しく、まるで柳のよう」だったので、その料理は「五柳魚」と呼ばれて有名になり、以来、「色とりどりの野菜のせん切り」が入った料理には、「五柳」の文字が付けられるようになったと言われています。

 しかし香港では「五柳」と言うと「甘酢漬けにした瓜やパプリカ、甘酢しょうが、紅しょうが、らっきょうなどを合わせたもの」に限定することが多いようです。そして、購入するには、ひと手間かかります。

 私は今回、中環(セントラル)にある『九龍醤園』(ガイドブックでよく紹介されている老舗の醤油屋さん)に行きましたが、「五柳」の名前が見当たりません。

 「五柳が欲しいのだけれど」と言うと、店の人が、各種の漬け物のビンから適当なものを取り出して詰め合わせ、「五柳」を作ってくれました。欲しい量もこちらから伝えなくてはなりません。棚からビン詰め取るだけ、というように簡単には手に入らない、それが「五柳」。

 香港で「五柳」を使った最も有名な料理といえば、「五柳鯇魚」です。

 「五柳」が入った甘酢あんを上からかけた魚料理で、魚を揚げる方法と蒸す(あるいは煮る)方法があるようです。

 鯇魚は廉価で、いつでも手に入ることから、香港で最もよく食べられている淡水魚の一つですが、やや泥臭さがあるのが難点です。しかし、この甘くて酸っぱくて、しょうがの辛味も効いた「五柳」あんが添えられると、臭いが気になりません。鯇魚だけでなく、冷凍の白身魚をおいしく食べたい時などにも適しているのではないでしょうか。

 「五柳」を使う際のコツを一つ。せん切りにした後、さっと熱湯に通し、余分な甘味と酸味を抜きます。こうすると仕上がりの味がくどくなりません。水洗いでも構いませんが、熱湯の方が衛生的で安心です。

 甘酢あんに入れてよし、炒めものや和えものに少量加えれば味のアクセントに。「五柳」は料理をパンチの効いた味に変える、ちょっと面白い食材だと思います。(2007.8)

<五柳鯇魚 揚げ魚の甘酢あんかけ>

材料(4人前):

鯇魚切り身 400g
塩、こしょう、かたくり粉 少々
五柳(せん切り) 100g
にんにく(みじん切り) 小さじ1
Aケチャップ 大さじ2
 酢 大さじ4
 塩 小さじ1/2
 砂糖 大さじ2
 紹興酒 小さじ1
 チキンスープストック 200cc
水溶きかたくり粉 少々
ごま油 少々
油 適

作り方:

1.鯇魚をよく洗い、表面の水気をふき取った後、塩、こしょうしてから全体に薄くかたくり粉をはたく。
2.フライパンを中火にかけ、多めの油で、全体がきつね色になるまで、鯇魚をじっくり揚げ焼きする(約10分)。
3.小鍋に湯を沸かし、五柳を入れ、ひと混ぜしたら、ざるにあけて、水気を切っておく。
4.小鍋に油少々を熱し、にんにくと五柳を軽く炒めたらAを加え、煮立ったところで水溶きかたくり粉を加え、とろみがついたらごま油をたらし、火から下ろす。
5.揚げた魚を皿に盛り、上から4のあんをかけて、できあがり。

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