漢方入り酔っぱらい鶏鍋

Categories 香港味探検
0
Tags ,


 火鍋の季節になりました。ものの本によれば、日本の寄せ鍋のように鍋の中で全ての具を煮てから食べるのが「火鍋」、煮立ったスープにそのつど具を入れて煮ながら食べるのを「生鍋」というのだそうです。ならば私たちが普段火鍋と呼んでいる香港の鍋ものは、本当は生鍋なのでは?

 でも火鍋の方が熱々としておいしそうな響きですよね。

 今、我が家で一番出番が多い鍋ものが、たっぷりの紹興酒と漢方薬材のおかげで身体がほかほかになる「酔鶏火鍋」。

 ここ数年、香港の火鍋屋のメニューでもよく見かけるようになりました。最近では家庭でも簡単に作れるよう、スープベースと材料をパックにしたものがスーパーでも売られるようになり、人気の高さを物語っています。

 うちでも始めはその市販の火鍋セットで作っていたのですが、あるとき売り切れていたので自分で作ってみたら、なぁんだとても簡単。以来、自分で材料を揃え、スープベースを作っています。

 鍋に入れる薬材は全て漢方薬局で揃うごく一般的なもので、滋養強壮効果があり、血の巡りをよくして身体を温めるものばかり。漢方薬といっても大量に摂取するわけではないので誰が食べても大丈夫なはずですが、「風邪で熱っぽい人は控えたほうがよい」と薬局の人が言っていました。

 鷄は火が通り過ぎるとパサパサするので、小さめの一口大に切るのがポイント。中華包丁を使えば、骨つきの鷄を切るのもさほど大変ではありません。やっと火が通ったばかりの鷄はジューシーでとても柔らかく、簡単に一羽ぺろりと食べられてしまいます。

 でもこの鍋の最大の特徴はなんといってもスープ。なので鷄以外の具は何でもいいのですが、うちではしいたけ、えのき、マッシュルーム、エリンギなどのきのこ各種と青菜でいただきます。

 きのこからはいい味が出るし、煮くずれないのでスープが濁らず、スープ重視のこの鍋にはぴったり。食べている間も浮いてきた脂やあくはこまめにすくいます。それだけの手間をかけた甲斐あって、鍋の具をほとんど食べ終わる頃には、スープには鷄ときのこのだし、紹興酒の風味、漢方薬のエキスが混然一体となって、得もいわれぬ滋味があふれんばかり。

 最後に固めに茹でておいたそうめんを加えてさっと煮て、たっぷりのスープと共にいただくのが我が家流です。

 うどんやご飯をぐつぐつ煮込んでせっかくのスープを濁らせるのは無粋というもの。スープを最後の一滴まで飲み干すのがこの鍋の醍醐味なのです。(2003.1.25)

*この後、「酔鶏火鍋」はすっかり香港の火鍋の定番となり、家庭で作る人も増えたせいか、漢方薬局に行くと、「酔鶏火鍋」用に漢方薬材を詰めたものが手に入るようになったので、自分で薬材を整えなくてもいいようになりました。

 もし、それ専用のパックが見つからなくても、店の人に「『酔鶏火鍋』を作りたい」と言うと、鶏を煮込むのに適した薬材パックを選んでくれるはずです。ずいぶん便利になりました。

 また、丸ごとの鶏が手に入らないときは(あるいは、一羽さばくのが面倒なときは)、手羽肉を薬材と一緒に煮込んでダシをとり(もちろん具としても食べます)、骨無しのもも肉を小さく切って下味をつけ、煮ながら食べる…という方法もあります。これならもっと手軽に作ることができるのでお薦めです。

<酔鶏火鍋 漢方入り酔っぱらい鶏鍋>

材料(4人前):
紹興酒 100cc
水 2リットル
A杞子 15g
 龍眼肉 15g
 紅棗 20g
 淮山 15g
 黨參 10g
 北蓍 10g
 當歸 10g
鷄(頭、内臓を取り除いたもの) 1羽
Bしょうが(みじん切り) 少々
 にんにく(みじん切り) 少々
 塩 小さじ1
 しょうゆ 大さじ1
 紹興酒 大さじ1
 かたくり粉 大さじ1
 油 大さじ1
塩 少々
好みのなべの具(野菜、麺類など)、薬味 適宜

作り方:
1.深鍋に紹興酒、水、Aを入れて、弱めの中火で30分以上煮込む。
2.鷄は小さめの一口大に切り、Bを混ぜて下味をつけておく。
3.好みの鍋の具を揃える。
4.卓上コンロに土鍋を乗せ、1のスープを移し、塩で味を整えたら、鷄や他の具を少しづつ煮ながらスープと共に食べる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>