さつまいもとピーナッツの甘いスープデザート

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 寒くなってきたので、さつまいもとしょうがを使った糖水(甘いスープ状のデザート)の「番薯糖水」を作ろうと思い立ち、材料を買ってきたのはいいのですが、さつまいもを切って仰天、中が紫色の紫心番薯(ジーサムファーンシュー)です。「番薯糖水」といえば、黄色いさつまいもが黄金色の汁に入っているもの。この紫のいもをどうしよう…と途方に暮れました。


 回りの香港人に相談すると、「そのまま『番薯糖水』を作ればよろしい」という答え。なぜか今まで一度も出会わなかったのですが、紫色の「番薯糖水」というのもあるのだそうです。そもそも、黄色と紫のいもを使い分ける発想があまりないらしく、「その時あるいもを使う」のだとか。私は黄色の方が甘いような気がするのですが、紫の方が甘いという人もいて、大差がありません。スーパーの「番薯」の棚に黄色も紫も一緒くたに入っていた(だから間違えた)のはそういうことか、と思いました。


 紫心番薯は、加熱すると鮮やかな紫色になりますが、これは、アントシアニンという色素を含んでいるから。アントシアニンといえば赤ワインが有名で、抗酸化作用があることから、アンチエイジングによい、と日本でも話題になりました。黄色いさつまいもとの決定的な違いはこれくらいでしょうか。


 あまりにも鮮やかな紫色なので、これは人工的に着色したものではないか、という噂が香港内で流れたこともありました(中国産なので、皆、疑い深くなっているようです)。これに関しては食物環境衛生署がサンプル検査を行い「天然の色素なので心配無用」と声明を出しています。


 さつまいもは南米で生まれ、東南アジアを経て、中国、そして日本へと伝わりました。さつまいもを中国に初めて移植したのは福建省の人物で、台湾にさつまいもを使った食べ物が多いのは、そのせいなのかもしれません。


 一方香港では、さつまいもがよく売られているわりには、さつまいも料理を見かけません。香港人に尋ねても、「糖水とか…」と答えた後、考え込んでしまいます。実際には、白玉粉に練り込んでお団子にしたり、大学芋風に揚げたり、つぶしてきんとんのようにした料理もあるようですが、香港の味、と言えるほど一般的ではなく、やはり「番薯糖水」を越えるさつまいもの調理法はなさそうです。


 「番薯糖水」は、さつまいもとしょうがと砂糖、が基本ですが、栗や竜眼、干しいちじくなどを加えて、風味や栄養価を高める場合もあります。今回はピーナッツ(花生/ファーサーン)を入れたことで、いつもよりコクのある「番薯糖水」になりました。この糖水は、肌を潤しきめを細かくする効果があると言われています。


 おいしく作るコツはただ一つ。さつまいもは必ず水にさらしてアク抜きをします。こうすると、煮汁がきれいに仕上がるだけでなく、煮崩れを防ぐことができるのです。(2008.11)


<番薯花生糖水 さつまいもとピーナッツの甘いスープデザート>


材料(4人前):

さつまいも 450g

ピーナッツ 70g

なつめ(紅棗/ホンジョウ) 10粒

しょうが(叩きつぶしたもの) 20g

水 2リットル

氷砂糖(冰糖/ビントン) 100g


作り方:

1.ピーナッツを熱湯に10分ほど浸け、薄皮を取り除く。

2.さつまいもは適当な大きさに切って皮をむき、水にさらす(水が黒ずんだら取り換える)。

3.煮込み用の鍋に水を沸騰させ、ピーナッツとなつめを加えて、弱火で1時間煮る。

4.さつまいもとしょうがを加え、さらに30分程度煮込む。

5.さつまいもがやわらかくなったら氷砂糖を加え、砂糖が溶けたら、できあがり。

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