海苔と牡蛎スープの鍋

Categories 香港味探検
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 前回、「トマトと豆腐スープの鍋」を紹介したとき、今年の火鍋ネタはこれが最後だろう、と思ったのですが、先日、別の友人宅に招かれ、またもや魅力的な火鍋をご馳走になってしまいました。もしかしたら香港人の数だけオリジナルの火鍋があるのかも…。今では、そんな心境になっています。


 今回ご馳走になったのは、海苔と牡蛎が入った海の香り豊かなスープで具を煮て食べる鍋。


 香港で海苔というと、子供がおやつとして食べる味付け海苔がポピュラーですが、その他に、料理に使う海苔があります。日本の焼海苔とは異なり、厚めの円板状に成形されていて、必要な分だけちぎって使います。


 香港でも、海苔は健康食品として知られ、身体の熱気を取り、利尿作用があって、腎臓によいとされています。


 香港では、海苔はスープに入れることが多く、この場合は、「湯(長時間煮込んだスープ)」ではなく、「滾湯」という、短時間でさっと煮たスープに入れます。中国(台湾製もある)の海苔は、日本の海苔と比べると繊維の一本一本が太く、煮溶けることはありません。


 今回の鍋は、その中国海苔(紫菜/ジーチョイ)と、仔(ホージャイ)という小さな牡蛎と豆腐をダシとして使います。このスープを考案した友人いわく、「潮州の味をイメージした」のだそう。牡蛎と海苔から味が出るので味つけは塩だけ、というのが友人流ですが、私は、少し魚醤(フィッシュソース)も入れてみました。そうすると、より潮州風に近づくような気がします。


 これだけだと、ちょっと磯の香りがするお吸い物、なのですが、ここに芹菜(カンチョイ/土芹と表記することも)が入ると、香りが劇的に変化します。芹菜は中国セロリとも言い、セロリそっくりの清涼感のある香りがするのですが、これが牡蛎の磯くささを、すがすがしい海の香りに変えるのです。芹菜を選んだ友人のセンスに感心しました。


 そして薬味には、みじん切りにした長ねぎ、香菜、にんにく、生の赤とうがらしを用意し、碗にたっぷりと薬味を取って、しょうゆとごま油少々を加え、スープで煮た具と一緒に食べる、というのがこの家のスタイル。


 具にも個性があり、友人宅では、午餐肉(ランチョンミート)の薄切りを入れます。煮えるとはんぺんのようにふわふわになり、意外なおいしさ。また、十文字に切れ目を入れた生の草(フクロタケ)も欠かせないのだとか。噛むと中からスープが飛び出す楽しいきのこです。どちらも私には初めての鍋の具でしたが、ぜひ真似したくなりました。


 そして最後に入れたのは、軽くゆでたインスタントラーメン。これが海苔との相性が抜群によくて、この鍋の締めにはこれしかない、というくらいぴったり。大満足、大満腹で終わった火鍋パーティーでした。


 まだまだ知らない味がたくさんある香港の火鍋の世界。そろそろ鍋の季節は終わりますが、次の冬も、きっとまた新しい味に出会えることでしょう。(2009.3)


<紫菜仔湯底火鍋 海苔と牡蛎スープの鍋>


材料(4人前):

豆腐(6等分に切る) 1丁(400g)

仔 300g

芹菜(10センチ長さに切る) 40g

塩 小さじ1

魚醤 小さじ1

水 2リットル

海苔 20g

好みの肉、魚、野菜 適宜

好みの調味料と薬味 適宜


作り方:

1.大きな鍋に水と豆腐を入れ、強火にかける。

2.煮立ってきたら、よく洗った仔と芹菜、塩、魚醤を入れ、火を弱火にし、20分煮る。

3.海苔を加え、さらに10分煮たらスープのできあがり。火鍋用の鍋にスープを移し、好みの具を煮て碗に取り、調味料と薬味を添えて食べる。

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