疲れた女性のための薬膳スープ

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 不覚にも数年ぶりにインフルエンザで倒れてしまい、しかも今回は胃腸に来たので、せっかくの旧正月にごちそうも食べられず、悶々と過ごしておりました。


 ようやく良くなったので、弱った身体に栄養を注入しなければ、と思い浮かんだのは、やはりスープです。こういう時は滋養のある鶏のスープが定番ですが、今回は身体のダメージも大きかったので、奮発して、烏鶏(ウーガイ)のスープを作ることにしました。


 烏鶏は竹絲鶏(ゾッシーガイ)とも言い、日本では「ウコッケイ(烏骨鶏)」の名で知られています。肉も骨も内臓までも真っ黒な鶏で、中国では昔から薬膳料理の材料として貴族階級の人々に珍重されてきました。栄養価が高く、特にカルシウムや鉄分を多く含むため、虚弱体質の女性には最適であると言われています。希少な鶏のため、日本ではウコッケイの肉が流通することは少なく、卵が売られることが多いようですが、香港では、丸ごとの烏鶏がスーパーで売られていて、簡単に手に入るのが嬉しいですね。烏鶏は脂肪が少なく、痩せているので、肉を食べるのではなく、スープにするのが一番です。


 一緒に煮込む漢方薬については専門家に相談するのが確実なので、漢方薬局を訪ねました。事情を説明すると、店の人は念を押すように「もう全快したんだよね?」。中国医学では、まず体内の悪いものが出て、体の中がきれいになってから栄養を補う、のが一般的。「弱っているから」と病中に滋養強壮効果の高いものを摂取するのは、逆効果なのだそうです。


 一応治ったことを伝えると、今度は予算です。せっかく烏鶏と合わせるなら、燕窩(ツバメの巣)はどうか、と薦められたのですが、私としては、手軽に買える材料で最大限の効果を期待したかったので、ああだこうだと相談した結果、今回のレシピに落ち着きました。


 烏鶏はそれ自体栄養豊かなので、何と合わせてもよく、自分の弱った個所に適した漢方薬を選べばいいのだそうです。私の場合は、栄養不足で貧血気味でもあったので、内臓の働きを強める淮山(ワイサン/長いも)と、補血効果のある圓肉(ユンヨッ/龍眼)と紅棗(ホンジョウ/紅なつめ)、そして普段からパソコンを使うので、目にいいとされる杞子(ゲイジー/クコの実)を合わせることにしました。これらは漢方薬というより健康食品に近いので、即効性はありませんが、体に優しく、継続して飲めば、徐々に体調が良くなっていくはずです。ほとんどの女性に適したスープではないでしょうか。


 本来、烏鶏のスープは、「燉」といって具と水を入れた器を密封してから蒸し器で蒸すダブルボイル方式が多いようです。こうするとクリアで上等なスープが取れるからですが、家庭では難しいので、普通に煮込む方法にしました。普段飲むスープと比べて、水分を少なめにし、烏鶏のエキスがたっぷりと溶け出した栄養満点のスープに仕上げてあります。(2009.2)

 

<淮杞圓肉紅棗烏鶏湯 疲れた女性のための薬膳スープ>


材料(4人前):

烏鶏(内臓を取り除いたもの) 1羽(約850g)

A淮山 20g

 杞子 10g

 圓肉 20g

 紅棗 25g

 しょうが(薄切り) 1片

水 2リットル

塩 少々

作り方:

1.烏鶏は適当な大きさに切り、爪を切り落とし、皮をはいでから、たっぷりの水(分量外)で、アクが出てくるまで強火でゆでる。

2.烏鶏を水に取り、汚れをきれいに洗い流す。

3.大鍋に水を入れ強火にかけ、沸騰したら、烏鶏とAを入れる。

4.火を弱め、ふたをして3時間煮込む。

5.碗にスープを取り、好みの量の塩を加えて、できあがり。


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